横浜美術館は、横浜の「みなとみらい21」地区に位置し、1989年に横浜博覧会のパビリオンとして開館しました。博覧会終了後の同年11月3日に正式に横浜美術館としてオープンし、以来多くの美術愛好者や観光客に親しまれています。美術館は、みなとみらい地区の中心にあり、都市軸の一部としても重要な役割を果たしています。
横浜美術館の建物は、世界的に有名な建築家、丹下健三によって設計され、そのシンメトリーなデザインは、みなとみらい地区の象徴的な存在感を放っています。地上3階建て(一部8階建て)、延床面積26,829平方メートルという広大なスペースを誇り、館内には7つの展示室、美術情報センター、アトリエ、カフェ、ミュージアムショップが配置されています。所蔵品は約12,000点にのぼり、床面積では「国立新美術館」には及びませんが、「国立西洋美術館」をしのぐ規模となっています。
横浜美術館は、2021年2月から長期休館し、開館以来初めての大規模な改修工事が行われました。この工事を経て、2024年3月15日にリニューアルオープンし、より魅力的な施設として再スタートを切りました。改修後の美術館は、新たな設備や展示スペースを備え、訪れる人々に更なる感動を提供しています。
横浜美術館は、幕末以降の横浜ゆかりの作品から、セザンヌやマグリットなどの西洋近代美術、さらには19世紀後半以降の近・現代美術作品を中心に、絵画、彫刻、版画、写真・映像、工芸など様々なジャンルの美術を展示しています。特に、横浜が日本の写真発祥の地であることから、写真コレクションが充実しており、写真の収集・展示に力を入れています。
椿君之肖像 - 岸田劉生
近代日本画の歴史を語る上で欠かせない作品で、リアリズムの中に独自の美学を追求した名作です。
ガルダンヌから見たサント=ヴィクトワール山 - ポール・セザンヌ
セザンヌの特徴的な筆致と色彩感覚が光る作品で、近代美術において重要な位置を占めています。
その他、ルネ・マグリットの「王様の美術館」、イサム・ノグチの「真夜中の太陽」、ピカソの「ひじかけ椅子で眠る女」など、多くの著名なアーティストの作品が所蔵されており、訪れる人々に深い感動を与えています。
以下は、横浜美術館に所蔵されている主な作品の一部です。
横浜美術館には、約11万冊の蔵書と約580の映像資料を所蔵する美術情報センターがあります。美術専門の図書室が建物の左側に位置し、展示のチケットが不要で無料で利用できます。展示に関連する書籍も取り揃えられており、展示をより深く理解するための資料が豊富です。
2階には、公園に面した「ミュージアムショップ」と「Café小倉山」があり、展示作品のポストカードや関連書籍、作品集などが販売されています。Café小倉山では、下村観山の作品「小倉山」にちなんだ軽食を楽しむことができ、展示に合わせた特別メニューも提供されています。
横浜美術館には、光と音のスタジオ、プレイルーム、クラフトルームなどのスペースを備えた「子どものアトリエ」があります。小学6年生(12歳)までの子どもたちを対象としたワークショップが年間を通じて開催され、親子で楽しめるフリーゾーンも設けられています。子どもたちはここで表現と創作体験を通じた教育を受けることができます。
「市民のアトリエ」では、12歳以上を対象としたワークショップが開催され、絵画制作や陶芸・彫塑、版画の作成を体験できるオープンスタジオが用意されています。この586平方メートルの広さを誇る施設は、多くのアート愛好者に親しまれています。
横浜美術館は、国際的な現代美術展「ヨコハマトリエンナーレ」のメイン会場の一つとしても利用されています。2011年から続くこのイベントでは、国内外のアーティストたちが斬新な作品を展示し、多くの観客を魅了しています。
横浜美術館には、148台の車を収容できる屋内駐車場が完備されており、訪問者は安心して車で訪れることができます。また、みなとみらい地区の中心に位置しているため、公共交通機関でのアクセスも非常に便利です。
横浜美術館は、美術愛好者だけでなく、幅広い年齢層の人々が楽しめる美術館として、多くの人々に愛され続けています。リニューアルオープン後も新たな魅力を発信し続けるこの美術館を、ぜひ訪れてみてください。
10:00~18:00
大規模改修工事のため休館中
毎週木曜日(祝日の場合は翌日)
年末年始
企画展観覧料
企画により異なる
「コレクション展」観覧料
一般 500 円
大学・高校生 300円
中学生 100円
小学生以下 無料
電車:
みなとみらい線(東急東横線直通)みなとみらい駅 下車、「美術館口(3番出口)」(横浜駅寄り改札口)を出て徒歩3分
JR(京浜東北・根岸線)・横浜市営地下鉄「桜木町」駅から動く歩動を利用で徒歩10分
車:首都高速 みなとみらい出入口 1分