こども自然公園は、神奈川県横浜市旭区に位置する広大な都市公園で、地元の人々からは「大池公園」とも呼ばれ親しまれています。この公園は、横浜市が管理しており、その面積は約48ヘクタールにも及び、旭区内では最大の公園として知られています。園内には豊かな自然が広がり、子供から大人まで楽しめる様々な施設が整備されています。
こども自然公園は、神奈川県横浜市旭区大池町65-1に事務所があり、二俣川駅南口方面から自然公園通りの突き当たりに位置しています。公園全体は旭区大池町、柏町、万騎が原、戸塚区名瀬町、泉区緑園七丁目にまたがっており、広い範囲に広がっています。アクセス方法としては、相鉄線二俣川駅南口から徒歩やバスを利用することができ、バス停「万騎が原大池」や「万騎が原中央」が最寄りとなります。また、南万騎が原駅からも比較的近く、公園へのアクセスは良好です。
こども自然公園には、訪れる人々を楽しませる多くの施設があります。公園の中心には「大池」と呼ばれる池があり、この池にちなんで「大池公園」とも呼ばれています。また、園内には「万騎が原ちびっこ動物園」という動物と触れ合える施設があり、特に子供たちに人気です。この動物園は、横浜市立野毛山動物園の分園として開園されました。
さらに、バーベキュー広場やピクニック広場といった家族向けの施設も充実しており、週末や祝日には多くの家族連れが訪れます。また、「桜山」と呼ばれる小高い山には、約1000本の桜の木が植えられており、春には多くの花見客が集まり、公園は賑わいます。その他にも、梅林やとりでの森、ドーナツ広場、売店、野球場など多岐にわたる施設が揃っています。
こども自然公園は、ただ遊ぶだけでなく、自然や動植物に触れ合うことができる教育的な施設も多数備えています。園内にはホタルの生息地があり、子供たちがホタルの観察や学習を通じて自然への理解を深めることができます。また、小学生たちが田植えや稲刈りを体験できる「教育水田」や、青少年野外活動センターも設けられており、自然と触れ合う機会を提供しています。
公園の中央に位置する「大池」は、約6,600平方メートルの広さを誇り、その歴史は古く、江戸時代の中頃に地頭の渡辺氏の命により、六兵衛親子が現在の大きさに拡張したと伝えられています。池のほとりには「めだかの学校」の歌碑が設置されており、訪れる人々に親しみを感じさせる要素の一つとなっています。
こども自然公園の歴史は非常に古く、1202年（元久2年）6月には、畠山重忠と北条時政の軍勢がこの池で炊き出しを行ったという記録があります。また、1700年頃には、地頭の渡辺氏の命により、六兵衛親子が灌漑池として「大池」を造成し、その大きさは現在と同じ規模になりました。
1968年（昭和43年）には、相模鉄道が寄付した住宅分譲地23.6ヘクタールと、横浜市が買収した隣接地を活用して、公園の整備が開始されました。そして、1972年（昭和47年）6月5日に「こども自然公園」として開園され、その後も多くの施設が整備されてきました。1979年（昭和54年）には、横浜市立野毛山動物園の分園として「万騎が原ちびっこ動物園」が開園し、1990年（平成2年）には「旭ジャズまつり」が初めて公園内の野球場で開催されるなど、地域のイベントの場としても活用されています。
「大池」では、かつて毎年5月5日に、村人たちが弁天様に御神酒を捧げ、豊作を祈る行事が行われていました。また、干ばつが続くと、村の代表者が大山の阿夫利神社（雨降神社）へ参拝し、そこで戴いた御神水を池に注ぎ、雨乞いを行っていました。これらの伝統行事は1958年（昭和33年）頃まで続けられていたと言われていますが、現在は行われていません。
こども自然公園では、毎年7月下旬から8月前半頃にかけて「旭ジャズまつり」が開催されます。このイベントは、1990年（平成2年）から始まり、公園内の野球場を会場として行われています。多くの人々が集まり、音楽と共に夏のひとときを楽しむことができます。
こども自然公園は、豊かな自然と多彩な施設が揃った公園であり、地域住民に愛され続けています。その広大な敷地内には、遊び場だけでなく、自然と触れ合える教育的な施設も多くあり、子供から大人まで幅広い年齢層が楽しめる場所です。歴史的な背景を持つ「大池」を中心に、四季折々の自然が楽しめるこの公園は、横浜市旭区の魅力的なスポットの一つと言えるでしょう。