長屋門公園は、神奈川県横浜市瀬谷区阿久和東に位置する、歴史と自然が調和した公園です。この公園は、ボランティア団体である「長屋門公園歴史体験ゾーン運営委員会」によって管理・運営されており、入場・入館は無料で、訪れる人々に気軽に利用していただけます。
長屋門公園は、古民家を中心とした「歴史体験ゾーン」と、杉林や散策路を楽しむことができる「自然観察ゾーン」の2つのエリアに分けられます。それぞれが持つ独自の魅力により、訪れる人々は歴史を学び、自然を感じることができます。
歴史体験ゾーンには、横浜市が認定した歴史的建造物である「旧大岡家長屋門(きゅうおおおかけながやもん)」や「旧安西家主屋(きゅうあんざいけしゅおく)」、そして土蔵や井戸が点在しています。これらの建造物は、それぞれの時代の生活や文化を今に伝える貴重な存在です。
また、このゾーン内にはボランティアによって運営される売店があり、竹細工などの手作り品が販売されています。さらに、竹馬、ぽっくり、輪回しなど、昔ながらの遊具が用意されており、来園者が自由に使用して遊ぶことができます。これにより、子どもから大人まで、古き良き時代の遊びを体験することができます。
自然観察ゾーンは、主に杉林が広がる斜面が多くを占めています。このエリアは、阿久和川の水源となるせせらぎの水辺や、希望ヶ丘駅方面へと続く散策路があり、自然愛好家や散策を楽しむ人々にとって魅力的なスポットとなっています。
旧大岡家長屋門は、明治20年(1887年)に建築された木造二階建ての建物で、切妻造り、桟瓦葺(さんがわらぶき)の構造を持っています。二階はかつて養蚕室として使用されていましたが、現在では集会室やギャラリーとして活用されています。養蚕が盛んだった当時、近隣には製糸工場も存在し、地域の産業を支える重要な役割を果たしていました。
現在、旧大岡家長屋門の一階の一部は売店および事務所として使用されており、訪れる人々に地域の歴史や文化を身近に感じてもらえる場となっています。
旧安西家主屋は、江戸時代中期後半(18世紀末)に建築された木造平屋で、寄棟造り、茅葺きの伝統的な建築様式が特徴です。この建物は、横浜市泉区和泉町にあった安西家の主屋で、平成2年(1990年)に横浜市に寄贈されました。その後、長屋門公園への移築のために解体・修理が行われ、平成4年(1992年)6月に竣工し、現在の姿となりました。
この旧安西家主屋は、江戸時代の庶民の生活様式を今に伝える貴重な文化財であり、来園者は当時の生活風景を垣間見ることができます。
長屋門公園は、歴史と自然が融合した魅力的な公園です。歴史体験ゾーンでは、貴重な古民家や昔ながらの遊具を通じて、かつての日本の暮らしを体感することができます。一方、自然観察ゾーンでは、豊かな自然の中でのんびりとした時間を過ごすことができます。横浜市瀬谷区にお越しの際は、ぜひ長屋門公園に立ち寄り、歴史と自然の両方を楽しんでみてはいかがでしょうか。