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山手111番館

(やまて ひゃくじゅういち ばんかん)

山手111番館は、神奈川県横浜市中区山手町に位置し、「港の見える丘公園」内にある歴史的な西洋館です。この館は、異国情緒あふれる横浜の山手エリアを象徴する建物の一つであり、その美しい佇まいから多くの訪問者に親しまれています。

山手111番館の歴史

アメリカ人ラフィン夫妻と建物の由来

山手111番館は、アメリカ人の両替商であったJ.E.ラフィン(ラフィン氏)が建てたものです。彼は、乗船していた船が修理を要したため、予定外で横浜に立ち寄ることになりました。その際、箱根に出かけたラフィン氏は、そこでミヨという女性と出会い、激しい恋愛の末に結婚し、横浜で新生活を始めました。ラフィン夫妻は8人の子供に恵まれ、この家は1926年(大正15年)に長男が結婚するのを機に建てられました。

その後、ラフィン夫妻の手を離れたこの家は、所有者が数度変わりましたが、幸いにも大切に維持されてきたため、建物の意匠やデザインは創建当時のまま残されています。1996年に横浜市がこの建物を取得し、1999年から一般公開が始まりました。同年11月には、横浜市指定有形文化財にも指定され、その歴史的価値が認められています。

山手111番館の建築様式

建物の構造とデザイン

山手111番館は、地上2階・地下1階建ての構造で、地上部分は木造、地下部分は鉄筋コンクリートで造られています。建物の外壁はスタッコ仕上げで、赤い瓦が特徴的なスパニッシュスタイルでまとめられています。このスタイルは、異国文化が交差する横浜の風景にぴったりと調和しています。

建物の玄関は西側の通りに面しており、三連のアーチが印象的なデザインとなっています。このアーチの上部には、屋根のないパーゴラ(藤棚)が設置されており、訪れる人々に開放的な雰囲気を与えます。玄関を入ると、吹き抜けのホールが広がり、その2階部分には回廊が設けられています。回廊は美しいデザインが施されており、当時の建築技術の高さが伺えます。

内部の公開と保護

現在、山手111番館は「港の見える丘公園」の施設の一部として一般に公開されていますが、建物の保護のため、2階の回廊は月に1回程度しか公開されていません。それでも、この建物を訪れることで、当時の異国文化が混在した横浜の雰囲気を感じることができます。

入館は無料で、毎月第2水曜日に休館日が設けられています。また、地下1階にはカフェが営業しており、訪れた人々が歴史的な雰囲気を楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごすことができます。

山手111番館の魅力とアクセス

異国情緒あふれる魅力

山手111番館は、その建築様式や歴史的背景から、横浜の異国情緒を感じることができる場所として多くの観光客に人気があります。特に、スパニッシュスタイルのデザインや三連アーチの玄関、吹き抜けのホールなどは、当時の横浜における西洋文化の影響を色濃く反映しています。

また、館内のカフェでは、美しい景色を眺めながらゆったりと過ごすことができ、訪れる人々に癒しの時間を提供しています。歴史ある建物の中で、当時の横浜の雰囲気を味わいながら過ごすひとときは、他では味わえない特別な体験です。

アクセス情報

山手111番館は、横浜の中心地からもアクセスしやすい場所に位置しており、最寄りの駅から徒歩圏内にあります。港の見える丘公園内にあるため、他の観光スポットと併せて訪れるのもおすすめです。また、敷地内には駐車場も完備されているため、車での訪問も便利です。

Information

名称
山手111番館
(やまて ひゃくじゅういち ばんかん)

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