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ホテル ニューグランド

(Hotel New Grand)

ホテルニューグランドは、神奈川県横浜市中区山下町に位置する歴史的なホテルです。山下公園の目の前にあり、横浜中華街にも近く、横浜を代表するランドマークの一つとして広く知られています。現在、ホテルニューグランドは「プリファード・ホテル・グループ」に加盟しており、JR東日本ホテルズの準会員ホテルとしてもその名を馳せています。

ホテルの歴史と背景

横浜市は1923年の関東大震災で甚大な被害を受け、復興が急務となりました。そんな中、当時の横浜市長であった有吉忠一氏の提案により、「横浜市復興会」が結成されました。この組織は、横浜市在住の有力者たちを集めて、復興のための様々なプロジェクトを推進していきました。その一環として決議されたのが、「外人ホテル建設の件」でした。これが、ホテルニューグランド建設のきっかけとなりました。

ホテルの名称は公募で選ばれましたが、その名前にはかつての「グランドホテル」の後継館としての意味が込められています。「グランドホテル」は関東大震災で倒壊して廃業したため、その後継者としての位置づけが意識されました。また、名称選定には公募の中に適当な案がなかったため、横浜市復興会計画部長の井坂孝氏が命名したという説もあります。

建築とデザイン

ホテルニューグランドは、横浜市の復興計画の一環として、官民一体となって建設が進められました。現在の本館は、1927年の創業時に建築家・渡辺仁によって設計されたもので、そのクラシックなデザインは今もなお多くの人々に愛されています。特にロビーの大階段や川島織物製のタペストリー、そして高さ6メートルのマホガニーの柱など、豪華でありながらも和の要素を取り入れた設計が特徴です。

また、開業当初はルーフガーデンから横浜港や大桟橋を一望できるレストランがあり、ここでの食事は格別のものでした。メインダイニングでは、雅楽の演奏が行われるなど、非常に贅沢な時間が提供されました。

ホテルの発展と影響

初代会長には井坂孝氏が就任し、彼は東洋汽船出身であったことから、ホテルの運営において必要な知識を持ち合わせていました。また、彼は東洋汽船サンフランシスコ支店長であった土井慶吉氏を総支配人として迎え入れました。土井氏はパリからアルフォンゾ・デュナン氏を招聘し、フレンチスタイルの料理を提供するレストランに特に力を入れました。

総料理長には、デュナン氏の紹介でスイス人コックのサリー・ワイル氏が任命され、内海藤太郎氏がその補佐を務めました。彼らの手によって、ニューグランドの厨房からは、後に日本全国で広く知られることとなるドリア、ナポリタン、プリンアラモードなどが生み出されました。

さらに、ホテルニューグランドは多くの有名シェフを輩出し、日本の食文化に大きな影響を与えました。例えば、ホテルオークラ初代総料理長の小野正吉氏、プリンスホテルグループ総料理長の木沢武雄氏などが、その一例です。

著名な訪問者とホテルの歴史的役割

開業以来、ホテルニューグランドは多くの著名人に愛されてきました。皇族やイギリス王族をはじめ、喜劇王チャーリー・チャップリン、米国の野球選手ベーブ・ルースなどが宿泊しました。特に、ダグラス・マッカーサー将軍は1937年の新婚旅行の帰路に滞在し、さらに1945年には占領軍最高司令官として再び訪れました。

第二次世界大戦後、ホテルニューグランドは7年間にわたり、マッカーサー将軍率いる占領軍の将校宿舎として接収されました。戦前の錚々たる宿泊者を記したゲストブックが持ち去られるなど、戦時中の混乱の中で多くの歴史が失われましたが、315号室「マッカーサーズスイート」は現在も残り、一般客も宿泊することができます。

また、ホテルのクラシカルな雰囲気は映画の撮影にも多用されており、『RAMPO』や『ツナグ』など、数々の邦画のロケーションとして利用されています。

沿革

設立と開業

1926年(大正15年)7月、「株式会社ホテルニューグランド」が設立されました。ホテルの敷地は、幕末に開設されたフランス海軍病院の跡地です。1927年(昭和2年)12月1日にホテルニューグランドは正式に開業しました。

成長と拡大

1963年(昭和38年)2月には、株式を店頭公開しました。そして1991年(平成3年)には、18階建ての「ニューグランドタワー」を開業し、さらなる成長を遂げました。このタワーは、高さ73メートルを誇り、横浜の新しいシンボルとなりました。

提携とリニューアル

2003年(平成15年)3月、東日本旅客鉄道(JR東日本)がホテルニューグランドの株式の一部を取得し、翌年には業務及び資本提携を締結しました。これにより、ホテルニューグランドはJR東日本ホテルチェーンにアソシエイトホテルとして加盟し、2004年には全面リニューアルオープンしました。

国際的な認知

2011年(平成23年)4月1日、ホテルニューグランドは「プリファード・ホテル・グループ」に加盟しました。これにより、国内外からの訪問者に対するサービスの質がさらに向上し、世界的にもその名を広めることとなりました。

施設概要

本館

ホテルニューグランドの本館は地上5階建てで、全49室の客室を備えています。この中には、スイートルームが3室含まれており、快適で豪華な滞在を提供します。また、本館には以下のレストランとバーがあります。

ニューグランドタワー

ニューグランドタワーは地上18階、地下5階建てで、全202室の客室を提供しています。特に、6階から17階にかけての客室は眺望が素晴らしく、横浜の美しい景色を楽しむことができます。また、タワー内には以下の施設があります。

Information

名称
ホテル ニューグランド
(Hotel New Grand)

横浜 元町・横浜中華街

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