日本郵船歴史博物館は、神奈川県横浜市中区海岸通に位置し、日本郵船グループが管理・運営を行っている企業博物館です。この博物館は、日本の海運の歴史を次世代に伝えることを目的として設立され、横浜の歴史と海運の発展を知ることができる貴重な施設です。しかし、周辺地域の再開発に伴い、2023年4月1日から2026年9月30日頃まで休館予定となっています。
日本郵船歴史博物館は、1993年に日本郵船グループが所有する横浜市中区の日本郵船横浜海岸通倉庫内に「日本郵船歴史資料館」として開館しました。その後、2003年に隣接する横浜郵船ビルの1階オフィススペースを改装し、「日本郵船歴史博物館」として再開館しました。館内では、日本郵船の社史を通じて、日本の海運の歴史を広く伝えることを目的とした展示が行われています。
常設展では、明治維新から現在に至るまでの日本郵船の歴史が詳しく紹介されており、その時代背景と共に日本の海運業界の発展を学ぶことができます。また、定期的に企画展やイベントも開催されており、訪れるたびに新しい発見があります。
2021年5月に発表された計画によると、博物館が位置する建物は隣接する横濱ビルと共に2023年に解体される予定でしたが、2021年10月に横浜市へ提出された計画によると、横浜郵船ビルは保存され解体されないことが決まりました。一方で、隣接するビルの解体は予定通り進行し、2027年に22階建てのオフィスビルが完成する予定です。この再開発に伴い、日本郵船歴史博物館は2023年4月1日から2026年10月頃までの3年半近く休館することが決定しています。
再開発後の横浜郵船ビルは、ホテルとして再利用される計画が進められており、博物館は新しいビル内に移転して再開館する予定です。これにより、博物館はさらに充実した展示と施設を提供し、訪れる人々に新しい体験を提供することが期待されています。
横浜郵船ビルは、1936年に竣工したギリシャ・コリント式のビルです。この建物は、2003年に日本郵船歴史博物館として活用されるため、大規模な改修が行われました。特に1階部分は、竣工当初の姿を再現するため、天井や照明の変更などが施されました。この改修が評価され、第15回BELCA賞のベストリフォーム部門で受賞を果たしています。また、経済産業省からは近代化産業遺産にも認定されています。
横浜郵船ビルは、映画やドラマの撮影場所としても利用されており、特にTBSテレビドラマ「華麗なる一族」の第3回(2007年放映)では、劇中の銀行外観として登場しました。このように、歴史的価値だけでなく、現代のメディアでもその存在感を示しています。
博物館内の常設展示では、日本郵船と日本の海運業の歴史を多角的に紹介しています。主な展示内容は以下の通りです。
館内には、常設展示のほかにもさまざまな施設が備わっています。
日本郵船歴史博物館は、横浜の海運の歴史を知る上で欠かせない場所です。再開館後には、さらに充実した展示と施設を提供し、訪れる人々に新たな歴史体験を提供してくれることでしょう。