ヨコハマポートサイド地区は、神奈川県横浜市神奈川区に位置する再開発エリアの愛称で、主に金港町、大野町、栄町の一部を含んでいます。この地区は、横浜駅の東側に位置し、名前は横浜港に面していることに由来しています。再開発により、かつての工業地帯が大きく変貌を遂げ、現在では、モダンな都市空間と高層ビル群が立ち並ぶエリアとして注目されています。
ヨコハマポートサイド地区は、横浜駅「きた東口」A出口から徒歩圏内にあり、ペデストリアンデッキ「ベイクォーターウォーク」を利用することで、徒歩2〜12分でアクセス可能です。また、地区内には「かもめ橋」と呼ばれる動く歩道が設置されており、横浜新都市ビル(そごう横浜店)や横浜スカイビルと直結しています。これにより、横浜駅東口バスターミナルやYCAT(横浜シティ・エア・ターミナル)との接続がスムーズに行え、交通の利便性が高いエリアとなっています。
かつて、ヨコハマポートサイド地区はニチレイやトーヨーカネツなどの工場・倉庫が立ち並ぶエリアでした。しかし、1985年に都市計画道路「栄本町線」の整備計画が決定し、これを機に1986年には「ヨコハマポートサイド地区第二種市街地再開発事業」の都市計画が決定されました。1990年頃から再開発が本格化し、「アート&デザインの街」というコンセプトのもと、広い歩道やペデストリアンデッキ、無電柱化が進められました。その結果、現在では電柱や電線のない広い空間に、タワーマンションや高層オフィスビルが立ち並び、近代的で美しい都市景観が広がっています。
ヨコハマポートサイド地区の港湾部には、シーバス(水上バス)の乗降場やポートサイド公園、横浜ディスプレイミュージアムなどの施設が集まっています。また、主軸となる「ギャラリーロード」沿いには、数多くのタワーマンションが立ち並び、その中には「ザ・ヨコハマタワーズ」などの高層住宅も含まれています。これらの建物群は、横浜ベイエリアの夜景を一層華やかに彩る存在となっています。
ヨコハマポートサイド地区には、数多くの公共施設やアート作品が点在しています。例えば、神奈川警察署ポートサイド交番やポートサイド内郵便局、横浜銀行中央市場支店など、生活に必要な施設が揃っており、住民にとって便利な環境が整っています。また、当地区内には、現代アート作品が数多く設置されており、これらの作品は地区の独特な魅力を引き立てています。
地区内には、長谷川浩己作の『横浜ポートサイド公園』や、エットーレ・ソットサス作の『THE FAMILY』など、個性豊かなアート作品が点在しています。これらの作品は、訪れる人々に独特の美的体験を提供し、ヨコハマポートサイド地区の「アート&デザインの街」としてのアイデンティティを強く感じさせます。
ヨコハマポートサイド地区には、ショッピングやレクリエーションを楽しめる施設も豊富です。代表的な商業施設として、横浜ベイクォーターが挙げられます。ここには、レストランやファーストフード店、ドラッグストア、コンビニエンスストアなど、約75店舗が出店しており、日常の買い物や食事を楽しむことができます。また、横浜ベイクォーターANNEXも隣接しており、さらなるショッピングやレジャーの選択肢が広がっています。
ヨコハマポートサイド地区では、毎年様々なイベントが開催され、地域の活性化に寄与しています。例えば、「ヨコハマポートサイド アート縁日」や「横浜マラソン」などが開催され、多くの人々が訪れます。また、箱根駅伝の際には、国道1号と国道15号がコースとなり、当地区から観戦することも可能です。これらのイベントは、ヨコハマポートサイド地区を訪れる楽しみの一つとなっています。
ギャラリーロードは、ヨコハマポートサイド地区の中心を通る道路で、沿道にはモニュメントやアート作品が設置されています。この通りは、車道と歩道との間に様々な形の石が不規則に配置されており、独特の景観を作り出しています。これらの石材は、かつての横浜船渠ドックの廃材を再利用したもので、地域の歴史を感じさせるとともに、現代アートの要素も取り入れられています。
また、道路の両側にはヤマモモが植樹されており、緑豊かな環境が広がっています。ギャラリーロードは、地域住民だけでなく、訪れる人々にとっても魅力的な散策スポットとなっています。