横浜市立金沢動物園は、神奈川県横浜市金沢区釜利谷東に位置する市立の動物園です。この動物園は金沢自然公園内にあり、豊かな自然環境に囲まれています。金沢動物園は、草食動物の保護と展示に特化しており、広々とした飼育スペースを誇ります。また、無柵放養式展示の手法を採用しており、地理学的展示による動物たちの生態や生活環境を再現しています。
金沢動物園には、さまざまな地域をテーマにした展示ゾーンが設けられており、以下のようなゾーンが存在します。
アメリカ大陸に生息する動物たちを展示しています。このゾーンでは、アメリカバイソンやジャガーなど、北米や南米の動物たちを見ることができます。
ヨーロッパとアジアに分布する動物たちが展示されています。ユーラシア区では、オオツノヒツジやアムールトラなど、多様な生態系を持つ動物たちが紹介されています。
オーストラリアやニュージーランドなど、オセアニア地域に生息する動物たちを展示しています。カンガルーやコアラ、ウォンバットなど、オセアニア特有の動物たちを観察できます。
アフリカ大陸に生息する動物たちを展示するゾーンで、サイやキリン、シマウマなど、アフリカの広大なサバンナを連想させる展示が特徴です。
家族連れに人気のエリアで、動物たちとふれあいながら楽しい時間を過ごすことができます。ウサギやモルモットなど、小動物とのふれあい体験が楽しめます。
園内を探索しながら、生き物たちを発見する楽しさを提供するエリアです。自然の中で動物たちの生態を学ぶことができます。
動物園と植物区を結ぶメインゲートとして、なかよしトンネルが設けられています。トンネル内では、可愛い動物の人形が音楽に合わせて動いており、子供たちに人気です。
金沢動物園には、動物だけでなく、四季折々の花木や芝生広場などが広がる植物区もあります。豊かな自然環境の中で、動物たちと植物たちが共存する景色を楽しむことができ、散策やピクニックに最適なエリアです。
園内のイベント情報や公園周辺の生き物について紹介している「ののはな館」は、訪れる人々に多くの学びの機会を提供しています。ここでは、動物に関連する企画展示や図書コーナーがあり、より深く動物たちについて知ることができます。
金沢動物園では、過去に多くの希少な動物たちが展示されていました。アメリカヘラジカ、オニカナダガン、アメリカプロングホーン、シロイワヤギ、ビクーニャ、クロエリハクチョウ、カモハクチョウ、ダーウィンレア、コモンレア、ブラジルバク、ローランドアノア、ガウル、キンシコウ、カンスーアカシカ、エレガントワラビー、オグロワラビー、コモンウォンバット、ヒクイドリ、ミナミシロサイ、ケニアボンゴ、ソマリノロバなどがその例です。
金沢動物園は、2007年度までは横浜市環境創造局によって管理されていましたが、指定管理者制度の導入により、2008年4月1日からは、横浜市の外郭団体であり、開園当初からよこはま動物園ズーラシアの管理運営を行っている財団法人横浜市緑の協会にその管理運営が引き継がれました。このように、運営体制の変遷を経て、現在も多くの市民や観光客に愛され続けています。
金沢動物園の開園時間は、午前9時30分から午後4時30分までで、最終入園は午後4時までとなっています。毎週月曜日は休園日となりますが、月曜日が祝日にあたる場合は、翌日が休園日となります。この時間帯に訪れることで、動物たちの元気な姿を見ることができます。
金沢動物園は1982年（昭和57年）3月17日に、野毛山動物園の分園として開園しました。その後、1988年（昭和63年）4月1日には、野毛山動物園から独立し、日本動物園水族館協会に加盟しました。1990年（平成2年）11月21日には、トンネルゲートの運用が開始され、1992年（平成4年）10月3日には、高速側駐車場の運用が開始されました。さらに、2013年（平成25年）4月1日には、神奈川県教育委員会教育長の藤井良一により、博物館相当施設に指定されるなど、着実に成長を遂げています。
金沢動物園では、2016年（平成28年）にオオカンガルーウォークスルー展示を完成させるなど、動物たちの生活環境の向上に取り組んでいます。2020年（令和2年）10月には、「インドゾウに対するQOL向上の取り組み」が市民ZOOネットワークのエンリッチメント大賞2020敢闘賞を受賞しました。また、2021年（令和3年）10月には、「オオツノヒツジの生態展示とその検証」がエンリッチメント大賞2021奨励賞を受賞するなど、数々の受賞歴を誇っています。