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北鎌倉 葉祥明美術館

(きたかまくら よう しょうめい びじゅつかん)

北鎌倉 葉祥明美術館は、1991年に神奈川県北鎌倉に開館した美術館です。JR横須賀線・北鎌倉駅から徒歩5分の立地にあり、周囲には歴史と自然が調和した美しい景観が広がっています。美術館の建物は、葉祥明がイメージした設計案をもとにしたジョージアン様式を基にした洋館で、温かみと優雅さが感じられる佇まいが特徴です。

建物のコンセプト

この美術館は「画家で詩人の父親と夫人、10歳のリラちゃんと5歳のクロードくんの一家がかつて住んでいた洋館」という設定で作られており、訪れる人々に「友人の家に遊びに行く」ようなリラックスした気持ちで来館できるように設計されています。

展示内容

葉祥明の作品展示

美術館内では、葉祥明の原画が常時約80点展示されています。1階では年に6回の常設展示が行われており、2階では各部屋ごとに四季折々の作品が展示されています。また、葉氏が個人的に収集した海外の絵本や仕掛け絵本、ぬいぐるみ、人形なども展示されており、多様な芸術作品を楽しむことができます。

感想ノート

展示室には、来館者が自由に感想を書き込める「感想ノート」が備えられており、開館以来150冊を超えるノートが蓄積されています。葉祥明自身も来館する度にこの感想ノートに目を通しており、訪れる人々との交流が大切にされています。

代表作の展示

葉祥明はイタリア・ボローニャ国際児童図書展でグラフィック賞を受賞した作家であり、美術館では初期の作品から水彩画、油彩画、デッサンまで、様々なジャンルの作品が展示されています。特に、広々とした草原や透明感あふれる青空を背景にした作品は、見る者に安らぎと癒しを与えると評判です。

ミュージアムショップとイベント

ミュージアムショップ

美術館1階にあるミュージアムショップは、入館料不要で利用でき、キャラクターグッズやポストカード、絵本、絵画などが販売されています。ショップでは、葉祥明の作品をベースにしたオリジナルグッズが充実しており、訪れる人々に人気があります。

イベント

美術館では、葉祥明によるミュージアムトークなどのイベントが随時開催されており、直接作家と触れ合う機会を提供しています。また、季節ごとに展示が替わる常設展や企画展が行われるため、何度訪れても新しい発見がある美術館です。

美術館の庭園

美しい庭園

美術館の庭には、アメリカ楓の大木が6本立ち並び、四季折々の花々が咲き誇ります。特に、白いアジサイやバラが咲く季節には、訪れる人々を絵本の世界へと誘います。庭園内での散策は、美術館の訪問をさらに豊かなものにしてくれます。

ロケ地としての美術館

ドラマや映画の撮影

北鎌倉 葉祥明美術館は、その美しい建物と庭園が評価され、数々のドラマや映画のロケ地として使用されています。例えば、TBSドラマ「マイリトルシェフ」や映画「想いのこし」など、多くの作品でその風景が活用されました。

雑誌掲載とメディア露出

また、美術館は多くの雑誌やテレビ番組でも紹介されており、その独特の雰囲気と美しい展示が多くのメディアで取り上げられています。これにより、美術館は芸術愛好者だけでなく、広く一般の人々にも知られる存在となっています。

美術館設立の背景

設立のきっかけ

美術館設立のきっかけは、葉祥明が東京都の石神井にある『いわさきちひろ美術館』を訪れた際に感じた思い出が大きな影響を与えました。自らの作品を通じて人々と交流する場を作りたいと考え、生きているうちに美術館を造る決意を固めました。この決意が、現在の北鎌倉 葉祥明美術館の設立につながっています。

葉祥 明

葉祥明(よう しょうめい)は、1946年7月7日に熊本県熊本市で生まれた日本の絵本作家、画家、詩人です。広く知られた絵本作家であり、特にその独特の画風と深いメッセージ性を持つ作品で、多くの読者やファンから愛されています。

ニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグにも留学して油絵を学びました。芸術的なキャリアは、1972年に絵本『ぼくのべんちにしろいとり』でデビューしたことに始まります。この作品は、イギリス、フランス、スウェーデンでも発刊され、国際的な評価を得ました。

代表作と受賞歴

葉祥明の代表作には、平和へのメッセージが込められた『地雷ではなく花をください』や、絵本デビュー作の『ぼくのべんちにしろいとり』などがあります。特に『地雷ではなく花をください』シリーズは、世界中で65万部を超える売り上げを記録し、収益は地雷撤去活動に使われています。この作品を通じて、彼は社会問題や環境問題に対する強い関心を示し、その解決に向けた取り組みを続けています。

1990年には、絵本『風とひょう』でイタリアのボローニャ国際児童図書展でグラフィック賞を受賞し、その後も多くの受賞歴があります。

画風とテーマ

葉祥明の絵画は、広大で美しい自然の風景が特徴的です。広々とした草原、透明感あふれる青空、そして点在する家や木、人々、動物たちがシンプルでありながらも力強く描かれています。彼の作品は、しっかりとした構図、柔らかなタッチ、そして深いテーマをシンプルに描くことが特徴です。

彼の原風景となっているのは、熊本・阿蘇の広大な草原であり、その風景は彼の作品の核となる部分です。彼はこの風景を通じて「この世界の美しさ、人生の深さ、いのちの輝き、そして生きる歓び」を伝えたいと考えています。

葉祥明の影響

葉祥明の作品は、単に美しい絵本やアート作品としてだけでなく、深いメッセージ性を持つものとして、見る者に強い印象を与え続けています。彼の絵画や詩は、人生の深さや自然の美しさを再認識させてくれるものであり、多くの人々に癒しと希望を与えています。

まとめ

北鎌倉 葉祥明美術館は、その設立背景から展示内容まで、訪れる人々に優しさと癒しを提供する場所です。葉祥明氏の描く広大な自然風景や、温かみのある詩の数々に触れることで、訪れた人々は心の安らぎを得ることができるでしょう。

季節ごとに展示が変わるため、何度訪れても新しい発見があり、友人の家に訪れるような感覚で、リラックスした気持ちで楽しめます。

Information

名称
北鎌倉 葉祥明美術館
(きたかまくら よう しょうめい びじゅつかん)

鎌倉

神奈川県