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皇大神宮(烏森神社)

(こうだい じんぐう からすもり じんじゃ)

皇大神宮は、神奈川県藤沢市鵠沼にある由緒ある神社です。正式名称は「皇大神宮」ですが、「神明宮」や「烏森神社」とも呼ばれています。旧社格は村社であり、鵠沼村の総鎮守として地元の人々に親しまれてきました。特に「神明様(しんめいさま)」の愛称で広く知られています。

神社の歴史

皇大神宮の起源は奈良時代にさかのぼります。相模国土甘郷の総社として創建され、その後、天長9年(832年)に社殿が造立されました。祭神として天照皇大神が祀られ、合祀神として八幡大神、春日大神、さらに相殿神として天児屋根命などが祀られています。

この神社は、地元では「烏森神社」とも呼ばれており、その名の由来はかつて多くの烏が群がり棲んでいたことによるものです。境内には、樹齢約700年の椨の木をはじめとする多くの木々が茂り、鎮守の森としての風格を保っています。

例大祭と人形山車

毎年8月17日に行われる例大祭は、皇大神宮の最も重要な祭事です。この祭りでは、藤沢市重要有形民俗文化財に指定されている9基の人形山車が登場し、那須与一や源頼朝、神武天皇など歴史的な人物が描かれた山車が町内を巡行します。さらに、拝殿では湯立神楽が奉納され、神聖な儀式が執り行われます。

人形山車は各氏子町内会によって明治時代に製作されたもので、今日では藤沢市の重要な文化財として保存されています。祭りの際には、山車が整然と並び、町内を巡行する姿は圧巻であり、見物客を魅了します。

境内の見どころ

皇大神宮の境内は約3300坪の広さを誇り、豊かな自然に囲まれています。神明造りの本殿は南向きに建てられ、1984年(昭和59年)には390年ぶりの大改修が行われました。本殿のほか、幣殿、拝殿、社務所も併設されており、参拝者を迎え入れる荘厳な雰囲気が漂います。

境内には、石楯尾神社や御嶽神社、秋葉神社などの合祀社があり、さらに伊勢ノ宮、稲荷神社、豊受稲荷神社、山王社などの境内社も点在しています。これらの神社は、それぞれ異なる神々を祀っており、訪れる人々に多様なご利益をもたらします。

山車合同格納庫

境内には、9台の人形山車を保管するための山車合同格納庫があります。格納庫は左右に分かれており、左側には宮ノ前、上村、宿庭、清水、苅田の各町内の山車が、右側には大東、仲東、原、堀川の各町内の山車が収められています。これらの山車は、毎年の例大祭で使用され、その美しい姿が藤沢市の伝統文化を今に伝えています。

祭事・年中行事

皇大神宮では、一年を通じてさまざまな祭事が執り行われています。特に例大祭は、地元住民にとって大切な行事であり、祭りの準備は8月初めから始まります。祭礼準備が整うと、氏子町内会では祭り囃子の練習や山車の飾り付けが行われ、8月17日の本番に向けて盛り上がりを見せます。

湯立神楽

例大祭の際には、湯立神楽も行われます。湯立神楽は、藤沢市無形民俗文化財に指定されており、神前で行われる神聖な儀式です。この神楽では、神官が煮え立つ湯を使って吉凶を占い、豊作や無病息災を祈念します。特に、釜底から立ち上がる湯の泡の様子が豊作を占う重要な要素となっています。

所在地とアクセス

皇大神宮は、神奈川県藤沢市鵠沼神明2-11-5に位置しています。JR東日本東海道本線・藤沢駅北口からバスに乗り、「神明町」または「烏森公園前」で下車すると、徒歩数分で到着します。境内には駐車場も完備されており、車でのアクセスも便利です。

まとめ

皇大神宮は、その長い歴史と豊かな伝統を今に伝える重要な神社です。藤沢市の地元住民に愛され、毎年の例大祭では多くの参拝者が訪れます。神聖な雰囲気と豊かな自然に包まれた皇大神宮を、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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名称
皇大神宮(烏森神社)
(こうだい じんぐう からすもり じんじゃ)

鎌倉

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