光明寺は、神奈川県鎌倉市材木座に位置する浄土宗の寺院であり、その寺格は大本山に位置しています。山号は天照山（てんしょうざん）で、本尊には阿弥陀如来（あみだにょらい）が祀られています。光明寺は、日本の仏教文化の中でも重要な地位を占める寺院の一つです。
光明寺の創建に関する伝説によれば、開基は北条経時（ほうじょうつねとき）であり、開山は浄土宗三祖の然阿良忠（ぜんあらちゅう）とされています。仁治元年（1240年）には佐助ヶ谷に蓮華寺を開創し、その後、寛元元年（1243年）に現在の地に移築し、光明寺と改称しました。しかし、寺伝とは異なり、『然阿上人伝』では鎌倉入が正元元年（1259年）と記されており、これに関しては異論も存在します。
光明寺の13世紀から14世紀にかけての歴史はあまり明確ではありませんが、室町時代には中興開山とされる祐崇（ゆうそう、? - 1509年）によって復興されました。明応4年（1495年）には後土御門天皇より勅願寺に定められ、さらにその後、浄土宗の関東十八檀林の第一位の寺として栄えました。
光明寺の山門は、五間三戸二重門（ごけんさんこにじゅうもん）であり、正面柱間が5間で、その中央3間が通路となっている2階建ての大規模な門です。この門は、浄土宗関東総本山にふさわしい規模を誇り、鶴岡八幡宮から移築されたものであるとされています。建築時期は弘化4年（1847年）ごろとされ、大工事には三州瓦が用いられました。1909年（明治42年）から1911年（明治44年）にかけて、永坂杢兵衛（ながさかもくべえ）が光明寺に対して3万1223枚の瓦を出荷しています。
光明寺の本堂は重要文化財に指定されており、元禄11年（1698年）の建立です。入母屋造（いりもやづくり）、銅板棒瓦葺きで、桁行9間、梁間11間という規模を持ち、実寸は間口奥行ともに約25メートルの鎌倉地方では最大級の本堂です。内部は広大な畳敷きの空間で、前半部は外陣（げんじん）、後半部は内陣（ないじん）と分かれています。外陣は柱列によって前後に分かれ、正面寄りを前外陣、奥を奥外陣と称します。内陣部は床高を外陣より一段高くした上段形式です。1923年（大正12年）の関東大震災でもほとんど損傷せず、建立当初の形式をよく保っています。1999年（平成11年）には重要文化財に指定されました。
内藤家墓所は、陸奥国磐城平藩（むつこくいわきひらはん）および日向国延岡藩（ひゅうがくにのべおかはん）の領主内藤家歴代の墓所です。200基以上の石塔が立ち、江戸の霊巌寺から移されたものです。歴代藩主やその正室などの墓が含まれています。
光明寺の境内には、総門、稲荷社、鐘楼など近世の建築があり、開山堂、書院、客殿なども存在します。庭園には、小堀遠州（こぼりえんしゅう）が作ったと伝えられる蓮池を中心とした庭や、「三尊五祖来迎の庭」と称する枯山水庭園があります。
光明寺の近くには、蓮乗院（れんじょういん）や千手院（せんじゅいん）があります。これらはともに浄土宗の支院であり、光明寺の関連寺院です。蓮乗院は光明寺が佐助ヶ谷から移転する前からこの地にあったもので、光明寺完成まで住職がこの寺に滞在したことから、現在でも光明寺の住職が交代する際には、新しい住職が一度この寺に入ってから光明寺に行く習わしがあります。
光明寺には以下の国宝があります：
以下の重要文化財があります：
光明寺では毎年10月12日から15日まで、念仏法要「お十夜」が行われます。現在では植木市や露店なども立ち、多くの人々が訪れる行事となっています。
光明寺へのアクセスは、JR横須賀線および江ノ島電鉄鎌倉駅から京浜急行バス小坪経由逗子駅行きの「光明寺」バス停で下車し、徒歩ですぐです。