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佐助稲荷神社

(さすけ いなり じんじゃ)

佐助稲荷神社は、神奈川県鎌倉市佐助に位置する神社で、古くから「出世稲荷」として知られています。社殿へと続く道には、赤い幟旗に彩られた数十の鳥居が並び、階段を登り詰めた先に神社の社殿が立っています。神社の歴史は古く、源頼朝が伊豆に流されていた時期に、夢のお告げによって旗挙げを促された「かくれ里の稲荷」を祀ったのが始まりと伝えられています。

神社の由来と歴史

佐助稲荷神社の創建年月は明らかではありませんが、社伝によれば、平治の乱後に伊豆に配流された源頼朝が夢の中で稲荷の神霊に出会い、老翁の姿で現れたその神霊から平家討伐の時節が来たことを告げられたとされています。この夢のお告げに従い、頼朝は挙兵し、平家を討伐した後、「佐介ガ谷隠れ里」の霊地に社殿を建てたと伝えられています。この社殿が現在の佐助稲荷神社の起源です。

「佐助(佐介)」という地名については諸説ありますが、一説には、頼朝が「前右兵衛権佐」であったことから「佐」の名が由来していると言われています。また、上総介・千葉介・三浦介という3人の介の屋敷があったため、「三介ガ谷」と呼ばれていたのが変化したとも言われています。『吾妻鏡』には佐助稲荷神社に関する記述は残されていませんが、鎌倉時代には既に存在していたと考えられています。

足利氏との関わり

延文4年(1359年)12月11日、鎌倉公方足利基氏は「佐介稲荷社別当三位僧都御房」に凶徒退治の祈祷を命じたという記録が残されています。また、応永25年(1418年)2月には、関東管領上杉憲実が鶴岡八幡宮の供僧に対して、当社の別当職と社領を安堵する文書を発行しています。このように、足利氏をはじめとする武家からも信仰されていたことがわかります。

独立した神社としての歴史

佐助稲荷神社は古くから鶴岡八幡宮の非常時の御旅所として飛地境外末社でありましたが、明治42年(1909年)に独立した神社として認められました。現在も、多くの参拝者が訪れ、特に成功成就や立身出世の祈願を目的に多くの受験生、就職活動中の学生、起業家が訪れる神社として知られています。

現代における佐助稲荷神社

2015年の映画『駆込み女と駆出し男』や『海街diary』、1996年のテレビアニメ『天空のエスカフローネ』の舞台としても佐助稲荷神社が登場しており、その神秘的な雰囲気は多くの人々を魅了しています。特に参道に林立する赤鳥居と、境内に祀られている白狐の像が特徴的で、訪れる者に別世界に足を踏み入れたような感覚を与えます。

出世稲荷としての信仰

源頼朝が「かくれ里の稲荷」と名乗る翁から夢のお告げを受け、平家を討伐し、後に征夷大将軍にまで上り詰めたという伝説から、佐助稲荷神社は「出世稲荷」としても広く信仰されています。この伝説に基づき、現代でも多くの人々が出世や開運を願って参拝に訪れます。特に、受験生や就職活動中の若者にとっては、心の支えとなる場所となっています。

ペットの守護神としての佐助稲荷神社

佐助稲荷神社の特徴のひとつに、ペットの飼い主に寄り添う神社である点があります。全国的にも珍しいペットの守護神として知られ、ペットのお守りや絵馬、人形などの授与物が用意されています。ペットを大切に思う飼い主たちが、その健康と安全を祈るために訪れる神社としても注目されています。

参拝の魅力とアクセス

佐助稲荷神社は、赤い鳥居群と白狐が神秘的な雰囲気を醸し出し、深い緑の中で連なる鳥居をくぐり抜けるたびに神域へと近づいていく感覚を味わうことができます。この神社は、歴史的背景だけでなく、その独特の風情と雰囲気から、多くの観光客や参拝者にとって人気のスポットとなっています。

参拝の際には、鳥居を一つ一つくぐり抜けながら、佐助稲荷神社の持つ静寂と神秘に満ちた空気を感じることができます。また、成功成就や立身出世を願うだけでなく、ペットの健康と幸福を祈るために訪れるのも良いでしょう。

Information

名称
佐助稲荷神社
(さすけ いなり じんじゃ)

鎌倉

神奈川県