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大船観音寺

(おおふな かんのんじ)

神奈川県鎌倉市岡本一丁目に位置する曹洞宗の寺院である大船観音寺は、その巨大な白衣観音像で広く知られています。この観音像は全長約25メートルあり、「大船観音」として親しまれています。

概要

大船観音寺はJR東日本の東海道本線・横須賀線・根岸線、及び湘南モノレールの大船駅西口から徒歩10分ほどの場所に位置しています。境内には、大船観音像のほかにも、原子爆弾による犠牲者を弔うための「原爆被災祈念碑」や「戦没慰霊碑」、地蔵尊などが建てられ、第二次世界大戦の犠牲者を追悼する場としても重要な役割を果たしています。

沿革

護国観音建立計画の始まり

大船観音寺の起源は、1927年(昭和2年)2月に護国観音を建立するために作成された護国大観音建立会の趣意書に遡ります。1954年(昭和29年)11月2日、護国大観音建立会は解散し、新たに財団法人・大船観音協会が設立されました。この協会には、曹洞宗管長の高階瓏仙(たかしな ろうせん)や東京急行電鉄(現在の東急)の初代社長である五島慶太をはじめ、各界の著名人が名を連ねました。

宗教法人への移行

1979年(昭和54年)12月25日、大船観音協会は解散し、宗教法人への移行が決定されました。1981年(昭和56年)11月30日に財団法人・大船観音協会は正式に解散し、曹洞宗の包括下にある大船観音寺として、新たに宗教法人となりました。

大船観音

大船観音の建設は、1929年(昭和4年)に地元有志の発起により護国観音として開始されました。1934年(昭和9年)には観音像の輪郭が完成しましたが、戦局の悪化に伴い建設は中断され、その後20年以上にわたり放置されることとなりました。第二次世界大戦後、財団法人大船観音協会が再び設立され、1960年(昭和35年)4月に大船観音像はついに完成しました。

観音像の特徴

大船観音は、地上に見える部分が全ての半身像であり、下半身が山中に埋まっている立像ではありません。観音像の内部には、サロン風の展示室が整備されており、縮小版の観音像や写真パネルが展示されています。また、大船観音は大船のシンボルとして位置付けられ、観光名所となっています。夜間にはライトアップが行われ、特に2006年(平成18年)以降はライトアップの色が従来の緑色からオレンジ色に変更されました。

多国籍な参拝客と「ゆめ観音in大船」

大船観音には、日本国内だけでなく、東南アジアの上座部仏教信者や華僑など多国籍な参拝客が訪れます。これに伴い、奉納された灯籠には多国籍な名前が並ぶようになりました。1999年(平成11年)からは、台湾やスリランカなどから僧を招いて法要を行い、各国の民族舞踊が奉納される「ゆめ観音in大船」という祭りが毎年開催されています。この祭りは、地域の文化交流の場としても重要な役割を果たしています。

キャラクター「のんちゃん」

2012年(平成24年)には、大船観音寺の公式キャラクター「のんちゃん」が誕生しました。「のんちゃん」は、大船観音寺の象徴として親しまれています。

アクセス情報

大船観音寺は、JR東日本(東海道本線・横須賀線・根岸線)、湘南モノレールの大船駅西口から徒歩約10分の場所にあります。また、NHKとtvkの大船観音中継局は、大船観音寺の境内地内ではなく、道路を挟んだ南側の別の山の上に設置されています。

Information

名称
大船観音寺
(おおふな かんのんじ)

鎌倉

神奈川県