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光則寺

(こうそくじ)

光則寺は、神奈川県鎌倉市長谷に位置する日蓮宗の寺院で、山号は行時山と称します。この寺院は、日蓮上人の弟子である日朗上人が、北条時頼の側近であった宿屋光則の屋敷に開いた寺院として知られています。光則寺は、春には樹齢150年以上のカイドウが美しく咲く「花の寺」としても名高く、鎌倉市の天然記念物にも指定されています。

光則寺の歴史

光則寺の起源は、鎌倉時代に遡ります。1260年(文応1年)、日蓮上人が「立正安国論」を鎌倉幕府に差し出した場所として知られており、石碑も建立されています。当時、日蓮上人は鎌倉の乱れの原因を幕府が法華経の信仰を軽視していることにあると考え、この書を5代執権北条時頼に提出しました。しかし、時頼はこれを受け入れず、日蓮上人を伊豆や佐渡へ流罪にしました。

日蓮上人と日朗上人の関係

日蓮上人が佐渡へ配流された際、弟子の日朗上人もまた捕らえられ、宿屋光則の邸宅裏山にある土牢に幽閉されました。光則は当初、日蓮上人と日朗上人を監視する立場にありましたが、二人の師弟関係と法華経の教えに感銘を受け、後に自らの邸宅を寄進して光則寺を創建しました。この「光則寺」という名前は、光則自身の名に由来しています。

光則寺の境内と見どころ

本堂とカイドウ

光則寺の本堂は、1650年(慶安3年)に再建されました。境内には7本のカイドウの木が植えられており、その中でも本堂右側にある木は、市の天然記念物に指定されています。このカイドウは、4月上旬に薄紅色の美しい花を咲かせ、鎌倉市の「かながわの名木100選」にも選ばれています。

四季折々の花

光則寺は、四季を通じて美しい花が咲き誇る「花の寺」としても知られています。春にはカイドウ、初夏にはヤマアジサイ、秋には紅葉、冬にはウメや水仙など、訪れるたびに異なる花々を楽しむことができます。境内を散策しながら、その美しい風景を楽しむことができるでしょう。

光則寺の文化的価値

光則寺は、鎌倉時代から続く長い歴史と、日蓮宗の教えに基づく宗教的な価値を持つ寺院です。特に、境内に咲くカイドウやヤマアジサイなど、四季折々の花々が美しく咲き誇る姿は、多くの参拝者や観光客を魅了しています。光則寺を訪れることで、歴史と自然の調和を感じながら、静かな時間を過ごすことができるでしょう。

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