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ういろう(小田原)

歌舞伎十八番「外郎売」でも有名な外郎(ういろう)家の名物菓子

米粉に餅粉、砂糖で作られ独特の食感で知られる“ういろう”は、1495年に小田原を平定した北条早雲が京都から招いた外郎家が作ったお菓子だ。室町時代の朝廷に仕えていた外郎家は、外国使節に関する役をつとめる家柄で、接待用に自ら考案した菓子が「外郎氏の菓子=ういろう」と呼ばれるようになり、小田原に移り住んでからも外郎家代々にその味が伝えられてきた。
また、当時外郎家では秘伝の薬も作っていて、同じく「ういろう」と呼んでおり、歌舞伎十八番「外郎売」は、病に伏せた二代目市川團十郎がこれを飲んで回復したことから、感謝の念をこめて演じられた演目だといわれている。また、文学作品の「東海道中膝栗毛」のなかで菓子のういろうと間違えて薬のういろうを食べてしまうシーンも書かれている。
これらの様に現在にも残る文化作品の複数に名前が見られることからも、この苦い薬と甘い菓子、双方のういろうが非常に人気の高い著名な商品だったことがうかがえる。
その後、薬のういろうは時代とともにすたれていったが、菓子のういろうは明治以降も残り、現在では白砂糖、抹茶、小豆、黒砂糖、栗入りの5種類を販売している。

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ういろう(小田原)

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