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最乗寺

(さいじょうじ)

最乗寺は、神奈川県南足柄市に位置する曹洞宗の寺院です。山号は大雄山(だいゆうざん)で、寺紋は羽団扇です。本寺は、地元では「道了さん」と呼ばれ、長い歴史と文化的な重要性を持つ寺院として親しまれています。

歴史

最乗寺は、1394年(応永元年)3月10日に、峨山五哲の一人である通幻寂霊門下の了庵慧明によって開山されました。この寺は、東国における通幻派の拠点となり、その門下は各地で公共事業を行い民心をつかむことに成功しました。

最乗寺には、この地で土木工事を行った了庵慧明の弟子である妙覚道了(道了尊)が祀られています。寺全体が「道了さん」として地域住民に愛され、これまでに余語翠巖、新井石禅、石附周行などの著名な住職が歴任してきました。

また、最乗寺は僧侶の修行道場としても知られており、僧堂が設置されています。2010年10月31日には、首都圏御開帳に合わせて、本尊を載せた神輿が80年振りに復活し、最初に小田原駅から国道1号のういろう社まで渡御されました。

現代における役割

最乗寺は、現代においてもその役割を果たし続けています。禅寺特訓道場を設置し、経営コンサルティングや社員教育の分野で活動するモチベーション・アップ株式会社と提携し、社員教育を行っています。このような取り組みを通じて、最乗寺は精神的な修行の場としてだけでなく、現代社会における教育の場としても機能しています。

最乗寺の神輿の様子

最乗寺の神輿は、地域の伝統を象徴するものとして重要な役割を果たしています。2010年に復活した神輿は、再び地域の住民や参拝者に愛され、多くの人々に支えられています。

御真殿の高下駄

最乗寺の御真殿には、高下駄が奉納されています。この高下駄は天狗のものとされ、左右一対が揃って役割を果たすことから、夫婦和合の信仰が生まれました。参拝者はこの高下駄に祈りを捧げ、家族や夫婦の絆を深めようとしています。

札所

最乗寺は関東三十六不動霊場の第2番札所としても知られています。この霊場は、多くの参拝者が訪れる巡礼の地であり、最乗寺はその重要な拠点の一つとなっています。

伽藍

多宝塔

最乗寺には、1863年(文久3年)に建立された多宝塔があります。この塔は、神奈川県内で現存する唯一の多宝塔であり、南足柄市の重要文化財に指定されています。

洗心の滝

洗心の滝は、最乗寺の境内にある清瀧不動堂の下を流れる美しい滝です。この滝は参拝者にとって心を清める場として親しまれており、多くの人々が訪れています。

松平直基墓所

最乗寺には、江戸初期の大名である松平直基の墓所があります。直基は慶安元年(1648年)に没し、最乗寺に葬られた後、圓教寺に分骨されました。この墓所は歴史的な価値が高く、多くの歴史愛好者が訪れる場所となっています。

交通アクセス

最乗寺へのアクセスは、伊豆箱根鉄道大雄山線「大雄山駅」から車で約10分です。公共交通機関を利用して訪れる参拝者にも、比較的アクセスしやすい立地となっています。

まとめ

最乗寺は、歴史と文化が息づく寺院であり、地域住民や参拝者にとって重要な存在です。古くから続く伝統や文化財に加え、現代社会においても教育や修行の場として機能している点が特徴です。これからも多くの人々に愛され続ける寺院であり続けることでしょう。

Information

名称
最乗寺
(さいじょうじ)

小田原

神奈川県