桜土手古墳群は、神奈川県秦野市堀山下に位置する古墳時代後期から終末期にかけて築かれた古墳群です。この古墳群は、主に円墳から構成されており、現在は一部が保存され、秦野市指定史跡として登録されています。桜土手古墳公園として整備されており、一般公開されています。
桜土手古墳群は、秦野市堀山下の水無川右岸に位置し、東西500メートル、南北300メートルに広がる範囲にかつて35基の円墳が存在していました。これらの古墳は、6世紀末から8世紀初頭にかけての古墳時代の終末期に築造されたと考えられています。発掘調査が行われた後、過半数の古墳が埋め戻されましたが、現在も12基が現存しています。
第一次の発掘調査は1974年から1977年にかけて行われ、19基の古墳が調査されました。続いて、1986年から1987年にかけて第二次の調査が実施され、さらに4基が調査されました。調査後、桜土手古墳公園内には6基、日産車体工場内に5基、島津製作所内に1基が保存されています。
桜土手古墳群で最大の規模を誇るのが1号墳で、直径28メートル、高さ5.6メートルという大きさを持ちます。この1号墳は、桜土手古墳公園内で復元展示されており、訪れる人々は外観に触れることができ、内部の石室に入ることも可能です。この古墳は、一般的な円墳とは異なり、墳丘の中に石垣状の石組みが施されており、二段築成という独特の構造を持っています。
桜土手古墳群からは、古墳時代後期に特徴的な副葬品が数多く出土しています。主な出土品として、須恵器や土師器といった土器類、耳環や勾玉といった装飾品、直刀や鉄鏃といった鉄製武器、そして辻金具や鐙鎖などの馬具が見つかっています。これらの副葬品は、その時代の文化や生活を知る上で貴重な資料となっています。
桜土手古墳公園内には、1号墳をはじめとする6基の古墳が保存されており、訪れる人々が歴史を感じることができる場所となっています。さらに、園内には「はだの歴史博物館」が併設されており、桜土手古墳群の出土品の展示や発掘調査の成果が詳しく解説されています。
桜土手古墳群の周辺には、他にも多くの古墳が存在しています。例えば、戸川古墳群や桃木原古墳群、念仏塚古墳群などがあり、これらも古墳時代の貴重な遺産として保存されています。
桜土手古墳公園へのアクセスは、公共交通機関や車を利用することができます。詳しいアクセス情報については、はだの歴史博物館のウェブサイトをご参照ください。
1号墳の石室は、南を向いて開口しており、訪れる人々が内部を見学することができます。
31号墳は、桜土手古墳群の一部として保存されており、その特徴的な構造を間近で観察することができます。