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弘法山

(こうぼうやま)

弘法山は、神奈川県秦野市東部に位置する標高235mの山です。丹沢山塊の南端に位置し、隣接する権現山(ごんげんやま、243m)、浅間山(せんげんやま、196m)と合わせて、一帯が弘法山公園として整備されています。これらの山々を総称して「弘法山」と呼ばれることもあります。また、弘法山公園は県立丹沢大山自然公園の一部を構成しており、年間観光客数は2021年時点で77.1万人にのぼります。

歴史と信仰

弘法山は、江戸時代から「弘法大師の祀られる山」として信仰の対象となってきました。頂上には釈迦堂や鐘楼、そして「乳の井戸」と呼ばれる湧水があり、これらは信仰の象徴として多くの人々に親しまれています。また、日露戦争の勝利を記念して、当時の大根村青年団が桜を植樹し、それ以来、弘法山は桜の名所としても知られるようになりました。現在では「かながわの景勝50選」や「かながわの花の名所100選」、さらには「神奈川の探鳥地50選」にも選ばれており、特に春には桜を目当てに多くの観光客が訪れます。

名称の由来

弘法山の名称は、弘法大師がこの山で修行を行ったという伝説に由来しています。弘法大師は平安時代の僧で、日本全国に多くの霊場を開きました。この山での修行が行われたとされることから、「弘法山」と呼ばれるようになったのです。

ハイキングと観光

弘法山公園は、ハイキングコースとしても人気が高く、登山初心者でも気軽に楽しむことができます。秦野駅や鶴巻温泉駅から徒歩でのアクセスが可能であり、登山後には温泉を楽しむこともできます。特に権現山山頂の展望台からは、秦野市街や富士山、平塚市街、相模湾、さらには江ノ島や横浜ランドマークタワー、新宿副都心のビル群、房総半島までを一望することができます。このため、四季折々の景観を楽しむために、多くの観光客が訪れます。

季節ごとの楽しみ

弘法山は、四季を通じて自然の美しさを楽しむことができます。春には桜や紫陽花、秋には紅葉が見どころです。また、森林セラピーを目的とした観光客も多く、頂上付近には駐車場が整備されているため、車でのアクセスも便利です。さらに、隣接する権現山とともに、花見や自然散策を楽しむスポットとして親しまれています。

地域のイベント

瓜生野百八松明

弘法山では、毎年8月14日に「瓜生野百八松明(うりゅうのひゃくはったい)」という伝統的なイベントが開催されます。この行事では、権現山から東側の麓にある龍法寺まで、燃えさかる約50本の巨大な松明を担いで下り、五穀豊穣や悪疫退散を祈願します。数百年の歴史を持つこの行事は、地域の人々にとって重要な伝統となっています。

たばこ祭

毎年9月末には「たばこ祭」が開催され、そのフィナーレとして権現山から弘法山にかけてのエリアで打ち上げ花火が行われます。この祭りの期間中、山の周辺では通行規制が実施されるため、訪問を計画する際には事前の確認が必要です。

弘法山の交通アクセス

弘法山へのアクセスは、徒歩、バス、車のいずれかが利用可能です。徒歩でのアクセスでは、小田急小田原線秦野駅から権現山山頂まで約50分、東海大学前駅から約75分、鶴巻温泉駅から約80分かかります。バスを利用する場合は、秦野駅北口から「曽屋弘法行き(秦25系統)」に乗車し、「弘法山入口」で下車、そこから徒歩10分です。ただし、バスの本数は多くないため、利用時には注意が必要です。車で訪れる場合は、東名高速道路の秦野中井ICから約10分でアクセス可能であり、第一駐車場(24台)、第二駐車場(15台)、浅間山駐車場(30台)が利用できます。

その他の情報

弘法山公園内には、権現山山頂にテレビ中継局が設置されており、秦野盆地内の広いエリアにテレビ電波を届けています。この中継局は、NHKや在京キー局、tvkの地上波デジタル放送を行っています。さらに、山麓には「綿羊の里」という観光施設もあり、観光客に親しまれています。

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弘法山
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