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大山阿夫利神社

(おおやま あふり じんじゃ)

大山阿夫利神社は、神奈川県伊勢原市に位置する大山(別名: 雨降山〈あふりやま〉)に鎮座する神社です。この神社は延長5年(927年)の『延喜式神名帳』に記載されている相模国の延喜式内社十三社の一つで、旧社格では県社に列されており、現在は神社本庁の別表神社として位置づけられています。

概要

大山阿夫利神社は大山の山頂にある本社(奥社・前社を含む)と、中腹に位置する下社で構成されています。下社までは大山ケーブルカーを利用して訪れることができ、手軽に参拝することが可能です。

祭神

本社には大山祇大神(オオヤマツミ)が祀られ、奥社には大雷神(オオイカツチ)、前社には高龗神(タカオカミ)が祭られています。この神々の配置は、愛媛県の大山祇神社と同じ構成ですが、これは明治時代の神仏分離により定められたものです。それ以前、江戸時代までの神仏習合の時代には、本社には石尊大権現が祀られており、奥社には大天狗、前社には小天狗が祀られていました。

歴史

大山の信仰の起源

大山は古くから山岳信仰の対象として知られており、山頂からは祭祀に用いられたとされる縄文土器が発掘されています。また、大山は「あめふり山」とも呼ばれ、雨を降らせる山として知られ、雨乞いの対象としても重要な役割を果たしていました。さらに、山頂の自然石を神体とする巨石崇拝や、山腹の二重滝を崇拝する湧水地信仰も見られます。

神社の創建と神仏習合

社伝によれば、大山阿夫利神社は崇神天皇の御代に創建されたとされています。927年の『延喜式神名帳』では「阿夫利神社」として記載され、小社として認められています。天平勝宝4年(752年)、良弁によって神宮寺として雨降山大山寺が建立され、本尊として不動明王が祀られました。以後、神仏習合が続き、信仰の中心として機能しました。

中世から江戸時代までの発展

中世以降、大山寺を拠点とする修験道が盛んになり、源頼朝や北条氏、徳川氏など、武家の崇敬を受けました。江戸時代には、大山詣でとして知られる参詣行事が関東各地で組織され、多くの庶民が訪れるようになりました。この参詣は特に鳶や職人の間で人気があり、女人禁制の中で行われました。また、大山と富士山の「両詣り」も盛んに行われ、「富士に登らば大山に登るべし、大山に登らば富士に登るべし」と言われました。

明治時代と神仏分離

明治時代になると、神仏分離令により、大山寺も廃仏毀釈の影響を受けました。この時期に「石尊大権現・大山寺」の名称は使われなくなり、「阿夫利神社」と再び改称されました。その後、大山寺は女坂の途中に再建され、現在に至っています。明治6年(1873年)には国学者の権田直助が祠官に迎えられ、県社兼郷社として再び隆盛を取り戻しました。

現代の大山阿夫利神社

戦後、大山阿夫利神社は昭和27年(1952年)8月から神社本庁に属さず独立して運営されていましたが、近年になり再び神社本庁の傘下に入りました。それでも、阿夫利神社本庁としての伝統は存続しています。

祭事

大山阿夫利神社では、以下の祭事が行われています。

交通アクセス

下社までのアクセス

公共交通機関を利用する場合

小田急小田原線「伊勢原駅」北口(バス4番のりば)から、神奈川中央交通西バス 伊10系統「大山ケーブル」行きに乗車し、終点で下車します(約25分)。その後、大山ケーブルカー「大山ケーブル駅」から「阿夫利神社駅」までケーブルカーで約6分、下車後徒歩約3分です。

車を利用する場合

東名厚木インターより国道246号経由で伊勢原大山方面に向かい、約40分で到着します。市営駐車場があり、駐車場からは大山ケーブルカー駅まで徒歩約15分です。

本社へのアクセス

本社へは、下社から大山の山頂まで約90分の登山が必要です。

Information

名称
大山阿夫利神社
(おおやま あふり じんじゃ)

厚木・丹沢

神奈川県