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森戸大明神

(もりと だいみょうじん)

森戸大明神は、神奈川県三浦郡葉山町に位置する神社です。地元では「森戸神社(もりとじんじゃ)」とも呼ばれ、葉山町の歴史や文化に深く根付いています。森戸大明神は、森戸海岸の南端に位置し、森戸川を挟んで広がる景観が美しい神社として知られています。

歴史と由来

森戸大明神は、1180年(治承4年)に創建されました。源頼朝が以仁王の令旨に従って挙兵し、その後、鎌倉を拠点に勢力を築いたことは広く知られています。この神社は、頼朝が三嶋明神(現在の三嶋大社)から分霊を勧請し創建されたものであり、以降、歴代の鎌倉幕府将軍が訪れる場所として重んじられてきました。また、当地を所領とする三浦氏の祈願所としても機能していました。

境内の記念碑と文化財

境内には、ベルツ博士とマルティーノ公使を顕彰する記念碑が建てられています。彼らは明治初期に葉山を訪れ、この地を保養地として紹介したことが、皇室や政府高官の別荘が建てられるきっかけとなりました。葉山御用邸もその一つであり、大正天皇は度々この御用邸で療養し、最期を迎えた場所でもあります。

また、境内には数々の記念碑が点在しており、これらは葉山町の歴史と深く結びついています。昭和天皇御即位の御大典記念碑や、詩人・堀口大学の詩碑「花はいろ 人はこころ」、明治天皇・昭憲皇太后の歌碑など、多くの文化財が保存されています。

祭神と境内社

森戸大明神の主祭神は、大山祗命(おおやまずみのみこと)と事代主命(ことしろぬしのみこと)です。また、境内には拝殿・本殿をはじめ、社務所、手水舎、参集殿、鳥居などが配置されています。

特に、「みそぎ橋」は、森戸川を跨ぎ、北方の森戸海岸と境内を繋ぐ重要な橋です。さらに、境内社としておせき稲荷社、水天宮、庚申塔、畜霊社、総霊社があり、それぞれの祭神が祀られています。

植物と天然記念物

境内には「飛柏槇(ひびゃくしん)」という樹木が生育しており、この木は「かながわの名木100選」に選ばれるとともに、葉山町指定の天然記念物にも指定されています。また、「千貫松(せんがんまつ)」は、源頼朝や和田義盛に関連する樹木として知られています。

交通アクセス

森戸大明神へのアクセスは、公共交通機関を利用すると便利です。最寄りのバス停は「森戸神社停留所」で、そこから徒歩2分程度で神社に到着します。

文化財の保護と今後の展望

森戸大明神は、その歴史的価値から、葉山町の指定重要文化財に複数指定されています。昭和55年9月18日に指定された社殿や、昭和49年1月14日に指定された庚申塔、またベルツ博士とマルティーノ公使の顕彰碑(昭和49年4月15日指定)などがそれ

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名称
森戸大明神
(もりと だいみょうじん)

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