城ヶ島灯台は、神奈川県三浦市に位置する歴史ある灯台です。この灯台は、三浦半島の南端に浮かぶ城ヶ島の西端、長津呂崎に建てられており、標高約30メートルの崖の上から相模灘を照らしています。周辺は美しい太平洋の景観を楽しめる観光地で、磯の海岸は多くの観光客で賑わっています。城ヶ島灯台は、日本で5番目に点灯した西洋式灯台であり、現在の灯台は2代目のものです。
城ヶ島灯台の歴史は古く、江戸時代にはすでに烽火（のろし）台として設置されていました。幕末に鎖国が解かれ、浦賀水道の重要性が増すと、城ヶ島が西洋式灯台の建設地として選ばれ、1870年（明治3年）に初めて点灯しました。しかし、1923年の関東大震災で初代の灯台は倒壊し、1925年に白色の円筒形コンクリート造の現在の灯台が再建されました。
再建された城ヶ島灯台は、1928年に電灯が敷設され、光源がアセチレンガスから電灯に切り替えられました。この変更により、光度が20,000カンデラから120,000カンデラに大幅に引き上げられました。また、1991年には無人化が行われ、灯台は自動化されています。これにより、船舶の安全を守り続けています。
城ヶ島の東側には長らく灯台が設置されていませんでしたが、周辺が遠浅の岩礁地帯で航行が危険なことから、1962年に安房埼灯台が新たに設置されました。これにより、城ヶ島周辺の海域での航行安全性がさらに高められました。
城ヶ島灯台は、美しい景観や歴史的な価値から、多くの観光客に訪れられています。灯台の周辺は「城ヶ島灯台公園」として整備されており、自然と歴史を感じながら散策することができます。また、過去には灯台博物館が設置されていましたが、昭和40年代に廃館となりました。現在、普段は内部に入ることはできませんが、イベント時などに稀に内部公開が行われることがあります。
城ヶ島灯台は、2001年に発表された「トロと休日」のロケ地としても知られています。この作品により、灯台はさらに多くの人々に知られるようになりました。
城ヶ島灯台へは、京急久里浜線の三崎口駅から京浜急行バスに乗り、「城ヶ島」行きの終点で下車し、そこから徒歩約5分で到着します。アクセスも良好で、気軽に訪れることができる場所です。
城ヶ島灯台周辺には、美しい海岸線や豊かな自然が広がっており、訪れる人々に癒しと感動を提供します。特に、太平洋を一望できる崖の上からの眺めは絶景であり、カメラを持って訪れる観光客も多く見られます。また、付近の磯では釣りや磯遊びを楽しむこともでき、ファミリー層にも人気のスポットです。
城ヶ島灯台は、その歴史的な価値と美しい景観から、多くの人々に愛される場所です。初代の灯台から数えて2代目となる現在の城ヶ島灯台は、長い歴史を経て再建され、現在も船舶の安全を守り続けています。また、その周辺には豊かな自然が広がり、訪れる人々に癒しと感動を与える観光スポットとなっています。城ヶ島灯台へのアクセスも良好で、気軽に訪れることができるため、ぜひ一度足を運んでみてください。