神武寺は、神奈川県逗子市沼間に位置する天台宗の寺院で、山号は「医王山(いおうざん)」です。正式名称は「医王山来迎院神武寺(いおうざん らいごういん じんむじ)」となっており、歴史的な背景や自然環境に恵まれた寺院です。
神武寺は、周囲を鷹取山と同じく第三紀の凝灰岩に囲まれた岩場に位置し、豊かな森林の中に佇んでいます。この地形のおかげで、気温が低く湿度が高いため、シダ類や昆虫が多く生息しています。寺院は「逗子八景」のひとつに数えられ、『逗子市歌』の歌詞にも、披露山や田越川とともに登場しています。
縁起によれば、神武寺は神亀元年(724年)に聖武天皇の命により行基によって創建されたと伝えられています。その後、平安時代には円仁が再興したとされていますが、これらの伝承は定かではありません。
『吾妻鏡』の承元3年(1209年)5月15日条には、源実朝が「神嵩(じんすう)と岩殿観音堂」に参詣した記述があります。この「神嵩」が神武寺を指し、「岩殿観音堂」は近隣の岩殿寺を指すとされています。
慶長3年に造立された薬師堂が本堂となっています。本尊は秘仏の薬師三尊像であり、正式な開帳は33年に一度とされています。しかし、毎年12月13日の煤払いの日には午前中に開扉が行われ、参拝者が拝観することができます。
神武寺には以下のような建物も存在します。
神武寺へ続く表参道は、鷹取山ハイキングコースの一部となっており、訪れる人々に人気のルートです。自然豊かな道を歩きながら、歴史ある寺院を目指すことができます。
神武寺の境内には「なんじゃもんじゃ」と呼ばれるホルトノキの大木があります。この木は「かながわの名木100選」に選ばれています。元々この樹木の名前が分からなかったため、「なんじゃもんじゃ」との愛称がつけられました。
神武寺へは以下のルートでアクセスすることができます。