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大山ケーブルカー

(Oyama Cable Car)

大山観光電鉄 大山鋼索線(おおやまこうさくせん)は、神奈川県伊勢原市に位置する大山観光電鉄が運営するケーブルカー路線です。この路線は、大山ケーブル駅から阿夫利神社駅までの区間を結び、「大山ケーブルカー」として親しまれています。丹沢山地の南東にある大山を登るこのケーブルカーは、山上にある大山阿夫利神社への参詣や、ヤビツ峠方面へのハイキングのアクセス手段として、多くの観光客や参拝者に利用されています。

歴史的背景と沿革

大山鋼索線の歴史は古く、1931年に開業しました。江戸時代から庶民の信仰を集めていた大山阿夫利神社への参詣の利便性を図るために建設されました。しかし、戦時中の1944年には不要不急路線として一度廃止され、その後、1965年に大山観光電鉄の運営で復活しました。このように、一度廃止された後に再開業した路線としては、復活までに最も長い期間がかかったケーブルカーです。

主要な年表

大山鋼索線の特徴と運行形態

大山鋼索線は全長0.8kmの短い路線ですが、278mの高低差をカバーしており、短時間で急な山道を登ることができます。運行は9時台から16時台まで(週末や祝日には17時台まで)、20分間隔で行われており、多客期には増発や運行時間の延長も実施されます。大山ケーブル駅から阿夫利神社駅までの所要時間は約6分です。

車両について

2015年まで使用されていた「たんざわ」号と「おおやま」号の2両は約50年間運行されましたが、老朽化により2015年5月17日に運行を終了しました。新型車両は2015年10月1日に運行を開始し、そのデザインは小田急ロマンスカーVSE・MSEや箱根登山鉄道のアレグラ号などを手掛けた岡部憲明アーキテクチャーネットワークが担当しました。車体色はブリリアント・グリーンを基調とし、1号車はゴールド、2号車はシルバーの配色が施されています。

駅一覧とその特徴

大山ケーブル駅

大山鋼索線の起点である大山ケーブル駅は、標高400mに位置する地上駅です。2008年9月30日までは「追分駅」と呼ばれていました。この駅からは、かつて山麓方面とを結ぶ大山登山鉄道の接続が計画されていましたが、1961年にその免許申請が取り下げられました。

大山寺駅

大山寺の最寄り駅で、標高512mに位置します。相対式ホーム2面2線の構造で、ケーブルカーの行き違い箇所に駅が設けられています。日本に現存する鋼索線では、このような構造を持つのは大山寺駅が唯一の例です。2008年9月30日までは「不動前駅」として知られていました。

阿夫利神社駅

大山鋼索線の終点であり、大山阿夫利神社(下社)の最寄り駅です。標高678mに位置し、単式ホーム1面1線の地上駅です。かつては、この駅から大山山頂までの延伸計画が存在しましたが、1937年にその免許が取り消されました。2008年9月30日までは「下社駅」として知られていました。

アクセス方法

大山鋼索線にアクセスするには、小田急小田原線の伊勢原駅から神奈川中央交通バスを利用し、「大山ケーブル」行きのバスに乗車します。終点「大山ケーブル」バス停で下車し、そこから徒歩約15分(約600m)で大山ケーブル駅に到着します。バス停から駅までの道のりは「こま参道」と呼ばれ、多くの土産物店や茶店が立ち並ぶ観光名所となっています。

以上が、大山鋼索線とその関連情報の概要です。このケーブルカーは、古くからの信仰や観光の歴史を感じさせる重要な交通手段として、多くの人々に利用されています。

Information

名称
大山ケーブルカー
(Oyama Cable Car)

江ノ島・湘南

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