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寂光山 龍口寺

(じゃっこうざん りゅうこうじ)

龍口寺は、神奈川県藤沢市片瀬に位置する日蓮宗の本山(霊跡寺院)であり、龍口刑場跡に建てられた寺院です。寺の山号は寂光山で、時に「竜口寺」と表記されることもあります。

歴史

龍口刑場と日蓮の「龍口法難」

日蓮宗の開祖である日蓮は、文応元年(1260年)に『立正安国論』を著し、当時の幕府や諸宗が正法に帰依していないことが天災や人災を招き、国内を混乱させている原因であると主張しました。この意見を幕府に対して提言しましたが、幕府はこれを反逆と見なし、日蓮に対して様々な弾圧を行いました。

その中でも、文永8年(1271年)9月12日に日蓮は龍ノ口刑場で斬首刑に処されることになりました。しかし、伝えられるところによれば、処刑が行われる直前、江の島の方角から強烈な光が現れ、太刀取り役の武士たちの目が眩む事態が発生し、結果として刑の執行は中止されました。この出来事は「龍口法難」として知られ、日蓮宗の四大法難の一つとされています。

龍口寺の創建

その後、延元2年/建武4年(1337年)に日蓮の弟子である日法が、この「龍口法難霊跡」に「首敷皮」と呼ばれる遺物や日蓮自作の祖師像を安置し、「敷皮堂」を建立したことが龍口寺の始まりとされています。さらに、慶長6年(1601年)には日蓮宗の篤信者である島村采女が寺領を寄進し、寺院の規模が拡大しました。

境内・伽藍

大本堂

大本堂は天保3年(1832年)に建立されました。欅造り銅版葺で、間口12間・奥行15間という規模を誇り、神奈川県内の代表的な木造建築物の一つです。堂内には日蓮像をはじめ、六老僧や鬼子母神、清正公像が祀られています。また、堂内には「敷皮石」が安置されており、「敷皮堂」とも呼ばれています。

仏舎利塔

仏舎利塔は昭和45年(1970年)9月12日に、龍口法難700年を記念して建立されました。この塔内には仏舎利が安置されており、龍口寺の裏山(龍口山)に位置しています。

五重塔

五重塔は明治43年(1910年)に建立され、欅造り銅版葺の建造物です。神奈川県内唯一の本格的な木造五重塔として、その美しさを誇り、県の文化財にも指定されています。塔の彫刻は一元流(藤沢彫川)の一元安信によるもので、龍口寺の象徴的な存在です。

その他の重要な建造物

龍口刑場跡

龍口刑場跡は、鎌倉時代の刑場であり、日蓮が斬首されかけた龍口法難の霊跡として知られています。また、この地は元の使者や北条時行なども処刑された場所で、歴史的にも非常に重要な場所です。

文化財

藤沢市指定有形文化財

龍口寺の以下の建造物は、藤沢市指定の有形文化財として登録されています。

国の登録有形文化財

さらに、以下の4棟の建造物が令和3年(2021年)に国の登録有形文化財に登録されました。

交通アクセス

鉄道

龍口寺へは以下の鉄道を利用してアクセスすることができます。

バス

また、京浜急行バスや江ノ電バス「龍口寺」下車、徒歩すぐの場所に位置しています。

Information

名称
寂光山 龍口寺
(じゃっこうざん りゅうこうじ)

江ノ島・湘南

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