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一之宮公園

(いちのみや こうえん)

一之宮公園は、神奈川県高座郡寒川町に位置する、地域の歴史と自然が融合した都市公園です。この公園は、かつて存在した相模線の支線跡を利用して整備されており、その歴史的背景や緑豊かな環境が評価され「かながわの公園50選」にも選ばれています。本記事では、一之宮公園の概要、歴史的背景、施設構成、アクセス情報などを詳しく紹介します。

一之宮公園の概要

歴史と背景

一之宮公園は、神奈川県高座郡寒川町にある都市公園で、かつて存在した国鉄寒川支線(通称:西寒川支線、相模鉄道時代:四之宮支線)の廃線跡を利用して整備された公園です。この支線は、相模川の砂利運搬や軍事物資の輸送、そして工業団地への通勤路線として利用されましたが、1984年に廃止され、その跡地を活用して一之宮公園が整備されました。

支線跡地の活用

一之宮公園の開園は1984年6月に一部が始まりました。寒川青年会議所によって設置された「丸太の広場」があったため、当初は「丸太の広場」としても知られていました。その後、寒川町の町制施行50周年を記念して整備が進められ、1987年には支線跡を利用した一之宮緑道が完成、1990年には公園全体が全面開園しました。この一之宮公園は、1994年に「かながわの公園50選」に選定され、地域の歴史的・文化的な遺産として評価されています。

一之宮公園の沿革

相模線支線の歴史

相模鉄道四之宮支線は、1923年(大正12年)に砂利運搬用の鉄道として設立されました。戦時中は相模海軍工廠の軍事物資輸送に使用され、戦後は工業団地への通勤路線として利用されましたが、1984年3月31日に廃止されました。その後、同年6月に一之宮公園としてその一部が開園しました。

重要な出来事と公園の開発

- 1923年(大正12年)2月5日:相模鉄道四之宮支線の途中駅として東河原駅(貨物駅)が設置される。
- 1940年(昭和15年)4月20日:寒川駅 - 昭和産業駅間で旅客営業が開始される。
- 1954年(昭和29年)10月:国鉄寒川支線の旅客営業が正式に終了。
- 1983年(昭和58年)10月8日:丸太の広場が設置される。
- 1984年(昭和59年)6月23日:一之宮公園が一部供用開始。
- 1987年(昭和62年)3月29日:一之宮緑道が開園。
- 1990年(平成2年)11月2日:一之宮公園が全面開園。
- 1994年(平成6年)3月:「かながわの公園50選」に選定される。

一之宮公園の施設と見どころ

一之宮緑道とゲート広場

一之宮公園は、一之宮緑道と共に構成されています。この緑道は、公園の主要な部分であり、緑道の起点である「ゲート広場」から終点の「八角広場」まで、約900メートルの道のりが続いています。緑道はレンガで舗装されており、秋には桂の木が美しく紅葉し、訪れる人々を楽しませます。また、緑道沿いには、かつて使用されていた鉄道の車輪が車止めとして残されており、鉄道ファンにも人気のスポットです。

歴史的価値のあるレール

一之宮公園には、旧鉄道のレールの一部が残されており、その中には皇紀で刻印されたものもあります。これらのレールは、現在世界遺産に登録されている旧八幡製鉄所で製造されたものであり、戦中から戦後直後までの希少な国産レールです。また、1909年(明治42年)に製造された最も古いレールもあり、その歴史的価値が高く評価されています。

広大な芝生広場と八角広場

公園内には広大な芝生広場があり、子供たちが遊べる遊具が設置されています。特に春には、桜が満開となり、美しい景観が広がります。また、緑道の終点に位置する「八角広場」は、寒川神社の八方除信仰に由来して名付けられた広場であり、ここには西寒川駅と相模海軍工廠の記念碑が設置されています。この場所は、かつての鉄道の終着点であり、その歴史を感じることができます。

アクセス情報と周辺施設

最寄りの交通機関

一之宮公園へのアクセスは、JR相模線の寒川駅から徒歩で訪れることができます。また、最寄りのバス停として神奈川中央交通の「八角広場」があり、バスでも便利に訪れることができます。車で訪れる場合は、圏央道の寒川南ICが最寄りのインターチェンジとなります。

周辺の観光スポット

一之宮公園の周辺には、歴史的な名所が点在しています。特に、相模国一之宮である寒川神社や、日本初の県営による広域水道施設として知られる神奈川県水道記念館など、見どころが豊富です。これらの施設と合わせて、一之宮公園を訪れることで、寒川町の豊かな歴史と文化をより深く理解することができます。

Information

名称
一之宮公園
(いちのみや こうえん)

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