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高麗山

(こまやま)

高麗山は、神奈川県の平塚市と大磯町にまたがる山で、大磯丘陵の東端に位置し、標高は168メートルです。この山は広葉樹の自然林が広がり、「21世紀に残したい日本の自然100選」にも選ばれている自然豊かな場所です。

高麗山の歴史と文化

かつて、この山には「高麗寺(こうらいじ)」という寺が存在し、高麗寺山(こうらいじさん)または高麗山と呼ばれていました。高麗寺は、高句麗から渡来した高麗若光を祀る寺院として知られていましたが、室町時代には度重なる戦火により一時は廃寺寸前にまで追い込まれました。しかし、江戸時代に徳川家がこの寺を上野寛永寺の末寺とし、東照宮を設置したことで再び隆盛を取り戻しました。

しかし、明治時代に入ると、明治政府の廃仏毀釈政策により高麗寺は廃寺となり、堂塔は破壊され、高麗神社だけが残されました。この神社は後に「高来神社(たかくじんじゃ)」と改名され、現在もその名で親しまれています。

地名の由来と伝説

高麗山の名称は、高麗寺山から変わったとされていますが、異論も存在します。7世紀に滅亡した高句麗からの亡命者がこの地域に定住し、寺院を建立して高麗山と名付けたと考えられています。この説は、近隣の古墳群から出土した装飾品や、山の南側にある「唐ケ原(とうがはら)」という地名からも裏付けられています。

また、伝説によれば、虎御前という女性がこの地に住んでいたとされます。彼女は曽我物語の登場人物であり、晩年は高麗寺の近くで過ごしたと言われています。

ハイキングコースとしての高麗山

高麗山は「高麗山県民の森」として指定されており、約29ヘクタールの広大な自然林が広がっています。この地域には約500種類の植物が生息しており、自然観察やハイキングに適した場所です。

湘南平(泡垂山)から高麗山へのハイキングコースは、市民に親しまれる手軽なコースとして知られており、山頂までの道のりは約30分程度です。また、高来神社から出発して高麗山山頂を経て湘南平、大磯へと続くコースもあり、自然の中でのんびりと散策を楽しむことができます。散策路にはベンチやテーブルが設置されており、休憩しながら風景を楽しむことができます。

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高麗山
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