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五所神社(湯河原町)

(ごしょ じんじゃ)

五所神社は、神奈川県足柄下郡湯河原町に位置する由緒ある神社です。旧社格は郷社に指定されており、地域の信仰の中心として知られています。

概要

五所神社は、神奈川県湯河原町宮下に鎮座しています。主祭神として天照大神、天忍穂耳尊、瓊々杵尊、彦火々出見尊、鸕鷀草葺不合尊、誉田別命、素盞嗚尊、伊弉册尊の8柱を祀っています。この神社は地域の歴史と深く関わっており、その歴史は社伝によれば天智天皇の時代にまで遡ります。

歴史

創立と初期の歴史

社伝によると、五所神社は天智天皇の時代に、加賀国から移住した二見加賀之助重行らによってこの地方が開拓された際の鎮守社として創立されました。1060年(康平3年)、五所神社の加護を受けた荒井実継が源義家の奥州征伐に従い、戦功をあげたという伝承が残っています。

源頼朝との関わり

1180年(治承4年)8月、源頼朝が挙兵した際、土肥実平がその佩刀を五所神社に奉納したとされており、その佩刀は現存して社宝となっています。このように、五所神社は武士たちとの深い関わりを持っており、その存在が戦国時代や鎌倉時代の武士たちにとって重要であったことがわかります。

江戸時代以降の再建と修復

1621年(元和7年)、1636年(寛永13年)、1661年(寛文元年)および1740年(元文5年)には、五所神社は再建や修復が行われました。明治時代に入ると、1873年(明治6年)7月には村社に、1915年(大正4年)11月には神饌幣帛料供進神社に指定されました。その後も、1944年(昭和19年)7月22日付けで郷社に昇格しています。

昭和・平成時代の変遷

昭和や平成の時代においても、五所神社は地域の信仰の場としての役割を果たし続けました。しかし、新幹線の工事や県道の拡張工事により、敷地の面積は116坪ほど減少しました。それにもかかわらず、1968年(昭和43年)には神奈川県神社庁より献幣使参向神社となり、1995年(平成7年)2月14日には神奈川県指定有形文化財として本殿が指定されました。この本殿は室町時代後期にさかのぼるもので、三間社流造、瓦棒鉄板葺となっています。

境内の見どころ

古木と名木

五所神社の境内は、古木が生い茂り、歴史の重みを感じさせる場所です。1930年に発行された『湘南五郷の史蹟を訪ねて』では、「湯河原温泉通に沿って漫歩すると、必ずや数百年を経たる老樹鬱蒼として生茂り、森厳さ云うべからざる御社の前を通る」と紹介されています。特に、推定樹齢800年とされるイチョウの木とクスノキは、湯河原町指定の天然記念物となっています。

明神の楠

境内が広かったころには、境内参道であった場所も現在は車道をはさんで分かれていますが、その地点には「明神の楠」という1979年4月1日付けの町指定の史跡があります。このクスノキは推定樹齢800年以上とされ、根回り15.6メートル、樹高17.5メートルという巨木で、朽ちた幹を補強するためにコンクリートで補強されています。

現地情報

所在地と交通アクセス

五所神社は神奈川県足柄下郡湯河原町宮下359-2に位置しています。最寄り駅は湯河原駅で、駅からは奥湯河原不動滝行きのバスで約4分、バス停「五所神社」下車すぐです。徒歩でも10-15分ほどで到着します。

Information

名称
五所神社(湯河原町)
(ごしょ じんじゃ)

湯河原・真鶴

神奈川県