箱根ロープウェイは、神奈川県足柄下郡箱根町に位置し、大涌谷の観光に便利な索道です。「箱根登山ケーブルカー」との中継地点である「早雲山駅」と箱根を代表する観光スポットの「大涌谷駅」、箱根十七湯のひとつ・姥子温泉がある「姥子駅」、芦ノ湖湖畔にある「桃源台駅」の4駅を結びます。
途中、雄大な富士山や、太陽光でキラキラと輝く芦ノ湖を眺めながら、起点となる早雲山駅から桃源台駅まで約25分間の空中散歩が楽しめます。標高は一番高いところで大涌谷駅の1,044m。観光地として多くの観光客に利用されています。
箱根ロープウェイは、早雲山線と桃源台線の2路線で構成されており、それぞれ早雲山駅から大涌谷駅、大涌谷駅から桃源台駅を結んでいます。運行設備が分割されており、全線を乗車する際には大涌谷駅での乗り換えが必要となります。
箱根ロープウェイは、1959年12月6日に開業し、早雲山駅から大涌谷駅までの区間で運行を開始しました。翌年、1960年9月7日には大涌谷駅から桃源台駅までの区間が開業し、全線が開通しました。全長は約4.0kmで、日本一長い索道路線として知られています。
2009年7月9日、箱根ロープウェイはギネス世界記録のゴンドラ・リフト部門で、乗車人数世界一に認定されました。2000年代初頭には、設備全体の老朽化と観光客の増加に対応するため、順次新型ロープウェイへの架け替え工事が行われました。2002年には早雲山 - 大涌谷間で、2007年には大涌谷 - 桃源台間でオーストリアやスイスで採用されている「複式単線自動循環式(DLM)フニテル」が導入されました。この新型ロープウェイは風に強く、従来の年間30日ほどあった運休日を15日程度に抑えることができるようになりました。
箱根ロープウェイの各駅には、スイスCWA製のゴンドラが導入されており、定員は18人です。各駅での運行は1分間隔で行われ、輸送力は1時間あたり975人から1440人へと大幅に増加しました。全線を通して乗車すると、大涌谷駅での乗り換えを要し、乗車時間は早雲山 - 大涌谷間が約8分、大涌谷 - 桃源台間が約15分です。
沿線のうち、大涌谷周辺は火山ガスの影響を受けるため、呼吸器疾患や心臓疾患を有する方、体調不良の方には早雲山 - 姥子間の乗車を控えるよう案内されています。また、火山ガス濃度が上昇した場合、全線で運行停止が行われることがあります。過去には、噴火警戒レベルの引き上げに伴い、全線が一時運休したり、代行バスが運行されたりするケースもありました。
新型ロープウェイへの架け替え工事は、2000年12月より順次行われ、2002年には早雲山 - 大涌谷間、2007年には大涌谷 - 桃源台間での新型ロープウェイの運行が開始されました。この新型ロープウェイは、風速毎秒20mから30mに引き上げられ、風に強い設計が特徴です。また、バリアフリー対応のゴンドラや駅舎が導入され、車椅子の利用が可能となりました。
2015年5月6日には、箱根山の噴火警戒レベル2(火口周辺規制)が指定され、大涌谷付近に避難指示が発令されたため、全線での運行が停止されました。その後、段階的に運行再開が進められ、2016年7月26日には全線での運行が再開されました。2019年にも同様の措置が取られ、5月19日に全線が運行停止となりましたが、同年10月26日には全線での運行が再開されました。
箱根ロープウェイは、観光客の増加に対応するため、今後もさらなる設備の更新やサービスの向上が期待されています。また、火山活動による影響を受けやすい地域であるため、安全対策にも注力しながら運行を続けています。
9:00〜16:00(季節により異なります)
年中無休
※天候状況等で営業運転中止となる場合があり
早雲山〜桃源台 片道
大人 1,370円
子供 690円
(早雲峡駅まで)箱根湯本駅から箱根登山鉄道線で約40分、強羅駅下車 → 強羅駅から箱根登山ケーブルカーで約10分