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東高根森林公園

(ひがしたかね しんりんこうえん)

神奈川県立東高根森林公園は、神奈川県川崎市宮前区神木本町に位置する森林公園で、川崎市内唯一の県立公園です。開園は1978年4月25日で、当初の面積は10.6ヘクタールに及びます。

概要

東高根森林公園は、川崎市北部に広がる多摩丘陵の東端近くに位置し、多摩川とその支流である平瀬川に囲まれた場所にあります。かつてこの地域は豊かな森林が広がっており、里山的な環境が形成されていました。このような歴史的背景を持つこの公園は、現在も新興住宅地や団地の中に昔ながらの民家が点在しており、里山の風景が残されています。

開発と保護

昭和以降、東京圏への人口集中に伴い、多摩丘陵東部も急速に開発が進みました。例えば、東名高速道路の建設や宅地造成により、風景は大きく変わりました。しかし、1971年には公園北部で弥生・古墳時代の遺跡が発見され、シラカシ林も学術的に価値のある自然林であることが判明しました。これらを保護するため、神奈川県は史跡および天然記念物に指定し、公園として整備されることになりました。

自然環境の保全

多摩丘陵は急速な開発によりその風景が大きく変わりましたが、東高根森林公園や緑ヶ丘霊園、生田緑地などの地域は、東西方向に連続する尾根として往時の自然環境を今に伝えています。これにより、近隣住民にとって貴重な憩いの場となっています。

管理者と催事

東高根森林公園の正面入口にはビジターセンターがあり、公園内で見られる植物や野鳥の紹介や、年間を通して行われる様々な催事の受付業務が行われています。2006年からは横浜緑地・西武造園グループが指定管理団体となり、2022年度からは株式会社石勝エクステリアが管理を担当しています。指定管理団体は、園内の整備管理やビジターセンターの運営に加え、自然観察会や体験教室など様々な行事を実施しています。

主な催事

東高根森林公園では、自然観察会や田植え、稲刈り、収穫感謝祭、工作体験教室などが開催されています。また、自然観察スタンプ巡りなどの行事も行われ、来園者は自然を楽しみながら参加することができます。

自然の魅力

東高根森林公園は四季折々の自然が楽しめる場所です。春の梅や桜、新緑、夏の草花、秋の紅葉、冬には野鳥の観察が楽しめます。特に、春の桜、新緑、梅雨のアジサイ、秋の紅葉、冬のサザンカが来園者に人気です。

植生

園内にはシラカシ林やクヌギ・コナラ林などの自然林が残されており、これらは神奈川県の天然記念物に指定されています。特に、シラカシ林は「鎮守の森」としても知られており、自然のままに植生が遷移した極相林として貴重です。また、クヌギ・コナラ林は里山の雑木林として保存され、野鳥の住処となっています。

草花と花木

公園内には様々な草木が植えられており、春には梅や桜、夏にはアジサイ、秋にはモミジなどの紅葉が楽しめます。また、ユリ園もあり、神奈川県の花である「やまゆり」にちなむ様々なユリが植えられています。

園内の野鳥と小動物

東高根森林公園では、多くの野鳥や小動物が観察できます。シラカシ林やクヌギ・コナラ林ではカラ類やメジロ、コゲラなどが集まり、湿生植物園ではカルガモが生息しています。また、冬にはトラツグミなどの冬鳥も見られます。

留鳥と冬鳥

園内ではシジュウカラやメジロ、コゲラなどの留鳥が観察でき、冬になるとキセキレイやルリビタキなどの冬鳥も姿を見せます。

小動物

公園内では、メダカやコイ、アメリカザリガニなどの小動物が生息しており、四季折々の生態が観察されます。

主な施設

東高根森林公園には、以下のような施設があります。

これらの施設は、四季を通じて自然を楽しむための多彩な場として利用されています。また、園内には車椅子対応トイレやスロープ、身体障害者用駐車場が整備されており、誰もが安心して訪れることができます。

周辺の施設

東高根森林公園の周辺には、以下のような施設があります。

アクセス

東高根森林公園へのアクセスは、公共交通機関や自動車での利用が可能です。以下に主要な交通手段をまとめます。

公共交通機関

自動車でのアクセス

東高根森林公園には駐車場が完備されており、周辺道路も整備されています。

Information

名称
東高根森林公園
(ひがしたかね しんりんこうえん)

川崎

神奈川県